<第五回>

エンジニア/学校の先生

 
 

BOYS RANKING:6

エンジニア(Engineer)

モノづくりニッポンの頭脳。ロボット開発などが
中学生には人気だが、プロが推奨するのは半導体分野。

技術大国ニッポンの礎となり、戦後の焼け野原から今日の経済発展をもたらす原動力となったエンジニアたち。彼らの努力なくして、「メイド・イン・ジャパン」が世界に普及することはなかった。
 その後安価な労働力を求めて生産設備の海外移転が進んだ結果、エンジニアを取り巻く環境も大きく変わりつつある。より付加価値の高い、新しい製造業の形や製品づくりが求められているのだ。
 当然ながら、今後エンジニアに求められるのは、より専門性の高い技術や知識の習得。そのためには大学の理工系学部から大学院博士課程を修了し、大手メーカーの研究開発部門に就職するのが王道となる。
 とはいえ、大学の研究室と企業の研究開発では、方向性が大きく異なるのが現状。大学の研究が基礎理論に偏りがちなのに対し、企業で求められるのは具体的な商品開発力だ。
「設計レベルから実際のモノづくりまでを、トータルで行っている研究室選びが重要です」と、エンジニア専門の人材コンサルタント会社テクノブレーンの龍野尚夫取締役は指摘する。
 研究者との根本的な違いは、研究や発明が目的ではなく、新しい製品を世の中に出すことが使命の「実務家」であるという点だ。そのため専門知識と一般常識を兼ね備えていることが重要だと、自身もエンジニア出身である龍野氏は言う。
 一つの製品を世に出すには、チーム内や上司とのさまざまな折衝が必要で、コミュニケーション力も必須。そのためには理工系の単科大学より総合大学、そし て受験科目が偏る私立大学より国立大学を選ぶほうがいいと龍野氏はアドバイスする。現場のエンジニアからグループリーダー、マネジメント系へとキャリアを 積み、最終的に技術本部長クラスまで到達するには、「技術バカ」に陥らない幅広い視野が必要ということだ。
 収入面については、各社で能力給が導入されつつあるとはいえ、経理・営業職など他の部門と比べてそれほど差はない。他業界と比べてもそれほど高収入とはいえないが、一定の収入は約束されているともいえる。
 一方で製品の発売前は激務が続いたり、製造業特有の泥臭い部分もあるなど、華やかなだけの仕事ではない。最近では女性のエンジニアも増えているが、男性と同等の働きが求められる過酷な一面もある。育児休暇など福利厚生面の取り組みも、各社で差があるのが現状だ。

モノづくりを
トータルで学べる
研究室を選べ。

今後期待される分野としては、情報産業や環境、バイオ、エネルギーなどが挙げられる。中学生の間では、ロボットの開発といったテーマも人気のようだ。
 だが、龍野氏が有望分野として推奨するのは半導体だ。現在は日本がアメリカに押されている分野だが、次世代に向けた巻き返しが期待される。さらに私たちの身の回りの製品の多くはデジタル化されており、どんな新商品をつくるにせよ、その核には半導体技術が必要だ。
「商品開発の技術的な本質を極めれば、半導体に集約される」と龍野氏は言う。裏を返せば、こうしたモノの見方がエンジニアには求められているのであり、中高生の頃からこの感覚を磨くことが必要といえそうだ。

エンジニアへの道

小野憲史=構成

 

GIRLS RANKING:6

学校の先生(Teacher)

子供たちにとって最も身近に働く姿を見られる職業。
現役教師の頑張りが、変わらぬ人気の秘密か

学校の先生といった場合、最もポピュラーなのは小中学校と高校の教師だろう。教員免許を取得するには、大学の教育学部、あ るいは文系・理系の各学部で教職課程の単位を取得することが前提となる。「何の先生になりたいか」で進むべき進路は異なり、たとえば小学校の教師をめざす のであれば教育学部、高校の数学教師をめざすなら理学部の数学科に進むのが普通だ。
 さらに、希望する地域で教師になるためには、各都道府県の教育委員会が実施する選考試験を突破することが必要だ。一次試験は一般教養と専門教養の択一試 験と論文という構成。二次試験では個人面接と、指定された課題について複数の受験者が話し合い、最終的に考えをまとめて発表・質疑応答を行う「集団活動」 が行われる。問題解決に向けた協調性やリーダーシップをチェックするという趣旨だ。
 以上の試験で基準点に達した受験者は、採用候補者名簿に登載される。とはいえ、教師への道は決して簡単ではない。東京都を例にとると、小学校の競争率は 3.1倍、中学・高校は10.6倍に達する。特に中学・高校では科目による競争率の差が大きく、英語教師の4.5倍に対し、地理・歴史の教師は60.6倍 という狭き門だ。

東京都の場合、
中学・高校の
採用試験倍率は
10倍以上。

東京都教育庁人事部の西原幹男選考課長は、「教師に求められるのは、指導力やコミュニケーション能力などを中心とする豊かな人間性」だと語る。児童や生徒を指導するためには、彼らと信頼関係を築くことが不可欠だからだ。
 東京都では(1)教育に対する使命感、(2)豊かな人間性と思いやり、(3)実践的な指導力、の三つを教師に望む資質として挙げている。教師になった後 も研修などの機会は多く、文字通り勉強を続けながら、自分なりの教え方を習得していくことを常に求められる職業でもある。
「決して楽な仕事ではない。しかし、生徒に教えたことが直接返ってくることが、教師という仕事の最大の魅力」と、地方都市の中学校の現役教師は言う。また、安定した職業という点では男女ともに恵まれた職業であることは間違いない。
 平均年収は公立小中学校で700万円、公立高校で750万円程度だ(人事院平成15年年次報告)。
 特に地方では、地元の国立大学の教育学部出身者が有利といわれていたが、現在は必ずしもそうとはいえない。知識と人間性を併せ持つ人物かどうかが、客観 的に評価される仕組みとなっているからだ。これを逆にとらえると、都市圏の大学に進学し、生まれ故郷にUターンを考える場合、学校の教師は一つの魅力的な 選択肢といえる。
 今後、団塊世代の教師の退職ラッシュが始まり、少子化に対応して少人数学級が編成される傾向にある。教師の採用が極端に減ることはなさそうだが、大幅に増えることも考えにくい。
 魅力的な仕事だからこそ、早い時期から総合力を身につける努力が欠かせないといえる。

学校の先生への道

山口邦夫=構成

 
 
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