<第四回>

整備士・カーデザイナー/動物の飼育係・訓練士

 
 

BOYS RANKING:7

整備士・カーデザイナー(Mechanic/Car Designer)

車が大好きな男子が夢見る仕事。どちらもメカの知識だけ、
デザインの知識だけでは通用しない専門職だ。

自動車整備士になる一般的なルートは、高校卒業後専門学校で2年学び、二級自動車整備士の資格を取得すること。腕と営業力次第では、自分で整備工場を構えることも夢ではない。
 かつては、車検整備が整備工場にとってドル箱的な仕事だったが、今ではユーザー車検が可能となり、ガソリンスタンドやカー用品量販店などとの競争も激しくなっている。自動車の総台数は飽和状態となっているからなおさらだ。
 整備士の活躍の場は、整備工場やディーラー系の工場がほとんどだったが、最近はオートバックスやイエローハットなどの大手カー用品店、ガソリンスタンド などへと広がっている。最近スタートした整備士一級試験は、二級合格後3年の実務経験が必要で、合格率2〜3%という狭き門。挑戦しがいのある資格であ る。
 専門学校は年間150万〜200万円の学費が必要だが、一通りの基礎的技術を身につけたほうが、求人側のニーズを考えれば結果的に早道といえる。電子部 品が増えたことで、電気関係の知識もいまや必須。特に理科と数学は仕事と密接な関係があるため、しっかり勉強しておいたほうがよさそうだ。
 整備士の適性については、「機械が好きなことはもちろんだが、顧客とのコミュニケーション能力も欠かせない」と、日本自動車整備振興会連合会指導部の池畑富義氏は言う。
 実際、連合会に持ち込まれる苦情は、整備士の説明不足に関連するものが最も多いという。逆にコミュニケーションを充分にとることは、顧客を獲得するための有効な手段となる。
 一方、カーデザイナーについては、芸術系の大学やデザイン専門学校で基礎を学ぶことが一般的ルートと考えられる。もっとも、就職はかなり狭き門というのが実情のようだ。

理科と数学が
仕事に直結。
しっかり学んでおこう。

カーデザインは車全体の造形に限らず、インテリアなど多岐にわたる。日産自動車の現役デザイナーA氏は「美術や技術などの教科のレタリングやスケッチ、工作など、楽しみながら美に対する感性を磨いておく必要がある」とアドバイスする。
 ファッションなどの流行はもちろん、美術館の展示会、寺院、仏像などの見学で美的感覚を養っておくこともよいだろう。こうした感覚は就職してから磨くより、できるだけ早い時期から鍛えておくことが大事だからだ。
 単にデザインだけではなく、塗装技術や鋼板プレス、樹脂の成型技術など、車の製造に関連する生産工程も身につけていく必要がある。車の場合、デザインしたものが実際に製造可能かどうかが重要だからだ。
 仕事としての一番の魅力は、たとえ一部分であっても自分がデザインした車が、街を走っていることで得られる満足感だとA氏は言う。「これが次の車のデザインに対するバイタリティーにつながるんです」。

整備士への道

山口邦夫=構成

 

GIRLS RANKING:7

動物の飼育係・訓練士(Zoo Keeper/Animal Trainer)

動物好きの子供たちには憧れの仕事だが、
就職は運とタイミングに左右される。高学歴化も最近の傾向。

動物の飼育係の典型的な就職先は動物園。大手の動物園・水族館は公立が多い。行政改革の中で雇用形態も変化しつつあるが、 今のところ職員は地方公務員だ。その場合、就職には地方公務員初級以上の資格を取得する必要がある。飼育係は地方では高卒中心だが、東京都などでは大卒が 主になっており、高学歴化が進んでいる。
 サファリパークの運営や遊園地でイルカのアトラクションなどを行っているのは民間企業だ。民間企業の飼育係は学歴不問、資格も特に必要ないが、待遇についてはかなりばらつきがある。
 動物園の飼育係として働く人々は、官民合わせて1800人程度。出身大学別では、都内の動物園では東京農大、日大、東京農工大などが多い。
「公立の場合、待遇は地方公務員に準ずるので職業としては安定しています。ただし勤務時間は不規則で、飼育している動物が病気でもすれば、夜も休日も関係 なく付ききりで世話しなくてはなりません」。『動物とふれあう仕事がしたい』(岩波ジュニア新書)の著者でもある、帝京科学大学アニマルサイエンス学科の 花園誠助教授は言う。
 動物園の飼育係の採用は基本的には欠員補充で、就職は運とタイミングに左右される。即戦力が求められるため、就職以前に実習やアルバイト等で、飼育係を 実際に体験していることが必要だ。イルカのトレーナーなども、実習を通じて顔見知りになった学生を採用する例が多い。「学んでいる学校と動物園につながり があり、実習生を受け入れているかどうかが鍵になります」と花園氏は言う。
 その意味では、農業系の高校や大学の農学部などが有利。あるいはまだ創立5年目だが、コンパニオンアニマル・アドバイザーの育成をめざし、第一期卒業生 の4割が動物関係の仕事に就職している帝京科学大学アニマルサイエンス学科も注目される。ただし同学科は創立以来、競争率10倍を超える難関だ。

動物園の採用は
基本的には
欠員補充のみ。

警察犬・盲導犬などをトレーニングする犬の訓練士には、公的資格はなく、日本盲導犬協会や日本警察犬協会などのいくつかの 団体が独自に資格を認定している。就業人口は推定2000人ほどで、個人経営に近い企業に住み込みで数年働き、その間に技術を学んで資格を取り独立する ケースが多い。
 欧米の専門学校に留学して留学先の資格を取り、帰国して開業する人もいる。動物園の飼育係に比べると職業としては安定せず、収入もさまざまだ。
「飼育係や訓練士は、動物が好きというだけでは勤まりません。時にはかわいがっていた動物を安楽死させなければならないこともある、厳しい仕事です」と花 園氏は言う。「ですがその中で、育ててきた動物に赤ちゃんが生まれたとき、また『動物と心が通った』と感じられた瞬間など、他には代え難い喜びがある仕事 でもあります」。

動物の飼育員への道

久保田正志=構成

 
 
プレジデントファミリー公式twitterアカウント

メールマガジン
<プレジデントファミリー通信>

 
 

「プレジデントファミリー通信」では、毎月2回、当月号の内容とともに、編集部員が取材の中で感じたことや、誌面に載せられなかった裏話、パパ編集長の日常などを毎月2回配信します。

メールマガジン申込・登録変更