豊田真由子衆院議員の罵声に対し「もしかして、自分も?」とおびえる女性がいる。特に子育て中の母親たちは「なんで言うことを聞かないの!」とキレた結果、子どもを萎縮させることになり、自己嫌悪を抱きがちだ。噴き出す怒りをどうコントロールすればいいのか。ムック『プレジデントFamily 日本一わかりやすい小学校受験大百科 2018完全保存版』で、アンガーマネジメントについて取材した担当編集者が解説する――。

子どもに罵声「私は『このハゲーー!!』の豊田議員と同じ?」

*筆者がアンガーマネジメントに関する記事を担当した『プレジデントFamily 日本一わかりやすい小学校受験大百科 2018完全保存版』(プレジデント社)

男性秘書への暴言暴行で、自民党を離党した豊田真由子衆院議員。

「ハゲーーー」「違うだろーーーー!」。ドカドカッ(蹴る音)

『週刊新潮』(6月29日号)が記事とともに公開した音声を聞いて、罵声の風圧(?)の強さに驚いた人は多いだろう。特に男性は、「あれはひどい」「怖すぎる」とおびえているかもしれない。

私は男性とは違う意味でおびえた。

自分だって、子どもに怒っている時……もっと正直にいえば、キレてしまっている時、程度の差はあるにしろ(と願いたい)、似たようなものかもしれない、と。

バイオリニストの高嶋ちさ子さんは、母親から「次はあなたよ」と指摘されたと自身のブログに書いている。ふだんから「キレキャラ」で鳴らしている高嶋さんだから、「巻き込み事故」としながらも、「人のふり見て、我がふり直そう」と自戒した。高嶋さんだけでなく、子どもを怒りすぎてしまったと悔いたことのある母親なら、豊田議員の言動はさすがに行き過ぎと思ったとしても、わが身を振り返って、一抹の気まずさ、申し訳なさを感じた人もいるのではないだろうか。

怒りをコントロールできない人は人間関係を破壊する

怒りのコントロール(アンガーマネジメント)は、社会生活を営むうえで大切なスキルだ。これがうまくできないと、職場や家庭の人間関係を決定的に破壊し、積み上げてきたものも水の泡となる。豊田議員もプロフィールを見れば、勉強や仕事に励んできた姿が浮かぶ。やったことを見れば同情の余地はないが、同性として残念な気持ちがぬぐえない。

だからこそ、人は怒りをコントロールしたいとアンガーマネジメントに注目するのだろう。書店にはノウハウを紹介する本や雑誌がたくさん並んでいる。