骨盤、カーヴィーダンス、モムチャン。評判のダイエット法の効果は本当か

 
 
文=三田村蕗子
 
 

書店の店頭に並ぶダイエット本の数々。テレビで話題になったものを中心に次々とベストセラーが生まれているが、その効果はどのくらいあるのか?

 年末の忘年会に、年明けてのおせち攻勢や運動不足。ぜい肉が気になる季節がやってきた。最近ベストセラーになったダイエット本は、本当に効果的なのか。その道のプロに検証してもらった。

 毎年のように登場する「○○するだけダイエット」。2011年に話題を集め、30万部以上の売り上げを記録したのが、『寝るだけ! 骨盤枕ダイエット』(学研パブリッシング)だ。枕をおなかの下に置き1日5分寝るだけで、開いてしまった骨盤が矯正でき、代謝機能も上がってぽっこりおなかも解消、と提唱しているが、専門家の見方は厳しい。
「骨盤の仙骨と腸骨は仙腸関節で、恥骨同士は恥骨結合という関節で強固につながっていて、可動域はほとんどない。何をもって『骨盤の歪み』というのかわかりません」と言うのは、自らも競技スポーツを楽しむ、ある整形外科医。「骨盤の前後への傾きを『歪み』と呼んでいる本もあるようですが、こちらは腰痛の予防には重要でも、やはりダイエットとは無関係です」

 中京大学スポーツ科学部の湯浅景元教授も否定的な見解だ。「この方法で、血流が良くなり筋肉の緊張がほぐれるというならわかります。でも、それは脂肪が燃えやすくなる準備が整っただけ。脂肪を燃焼する能力を高めないと痩せられません」

 体を曲線的に動かして踊ることで、女性らしいくびれボディーが手に入る。そんな内容で160万部を超す大ベストセラーとなった『樫木式・カーヴィーダンスで即やせる!』(学研マーケティング)も、専門家からは辛めの評価だ。「有酸素運動のダンスで体を動かせば確かに脂肪は燃焼しますが、脂肪の燃焼効率からいえば運動は軽いほうがいい。呼吸が苦しくない程度の運動、たとえばウオーキングが最適です」と湯浅教授。ただし、脂肪が燃え始めるには20分はかかるので、最低20分以上行うことがコツだという。
 さらに脂肪を燃やしたいなら、無酸素運動も必要だと湯浅教授。腕立て伏せや腹筋運動をゆっくり繰り返すなどの無酸素運動を継続して行えば、寝ているときも脂肪が燃えやすい、基礎代謝の良い体に近づく。その点、韓国のカリスマ主婦による『モムチャンダイエット』(講談社)は、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせていて「理論的には無理がない」(湯浅教授)という評価だ。

「ただし、体を引き締めるにはかなり筋肉に力を入れてトレーニングを行う必要があります。アイソメトリックスを加えるといいでしょう」と湯浅教授は言う。アイソメトリックスとは、体をあまり動かさずに筋肉に負荷をかける筋トレ法。たとえば、胸の前で合掌して手のひら同士を強く押し合わせるポーズを7秒ほど、3~5回行うのもその一例だ。
 結局、太りにくい引き締まった体を手に入れるには、有酸素運動と無酸素運動、そしてアイソメトリックスの3本立てが基本のようだ。
「とにかく、あせって結果を求めないこと。ストレッチだけ、ジョギングだけという『運動の偏食』もダメです」と湯浅教授は警鐘を鳴らす。

 前出の整形外科医によれば、急にトレーニングを始めた人が腰や膝を痛めて、病院に駆け込んでくるケースが少なくないとか。関節痛や強い筋肉痛を感じたときは、回復するまで休むことも忘れずに、じっくり取り組もう。

 
 
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