今の子供は汗腺の数が親の半分!
汗は霧吹きで補うべし

夏休み中、クーラーが効いた部屋から一歩も出ずに、ゴロゴロ、ダラダラ過ごす子供たち。そんな姿を見れば、ついガミガミ言いたくなるのが母親の性分というものだ。しかし、実は子供たちは、ただ怠けたくて怠けているだけではない。今の子は、親世代より夏に弱いのだ。 
そのキーワードとなるのが“汗”。
人間の体温調節をしてくれる汗は、暑くなると汗腺から出てきて気化するときに体の熱を奪い、体温を下げる役割をする。この汗腺の数が、現代の子供たちは、なんと親世代の半分しかないという。
小児科の現場で医師として長年活躍している小児科医・田村仁先生は、汗腺が少ないために代謝が鈍ってしまうことによるバテやすさと、熱中症について警鐘を鳴らす。
「現代の子供たちが熱中症になりやすい理由は、この汗腺数の減少が密接に関係していると考えられます。その原因のひとつはクーラーなんです」
汗腺の数の減少に伴い、“夏バテ”の傾向も変わってきている。
発酵学者の小泉武夫先生も、「昔の夏バテは暑さによる体力の消耗が原因でしたが、現代の夏バテは、冷房と外気温の差による消化器官の疲れと、自律神経の乱れによる場合が多いですね」と話す。
汗腺の数は
3歳までに決まる
400万個とも言われる親世代の汗腺の数。なぜ子供たちの汗腺は減ってしまったのだろうか。
「汗腺の数は3歳までに決まるといわれています。この時期に汗をかかないと、汗腺そのものが活動しなくなってくるのです。
3歳までに汗をかかなかった今の小・中学生が涼しい室内にばかりいるのは禁物。ときには潮干狩りやキャンプなどで汗をかくようにすることも大切ですよ。なぜなら、汗腺は使っていないと機能しなくなってしまいますから」(田村先生)
ここ十数年は、昔のように、あせもや汗かぶれになって病院にやってくる赤ちゃんも少なくなっているそうだ。
そもそも汗腺数の減少は、夏の暑さと現代文明との闘いの副作用でもあるという。
「長い歴史のなかで、人間は環境に合わせて進化してきました。たとえば、寒い地域で育った人は暑さに弱いですよね。それは、成長期に体が不必要と判断して汗腺を発達させなかったからです。文明の発達によって人々が冷房を手に入れたことで、本来なら暑い夏に対応するため多くの汗腺が必要な地域の人でも、汗腺が発達する機会がなくなってしまった。今の子供の汗腺数の減少は、人体の特性を考えると、当然のことなんです」(田村先生)
汗をかきにくい子は
人工的に汗を作る!
では、幼児期に思い切り汗をかく機会のなかった小・中学生はどうしたらいいのか。
まずは、“この子はわたしたちよりバテやすい体なのだ”と親が認識することだろう。さらに田村先生は、汗腺の少ない現代っ子の夏バテへの、即効性のある対策を教えてくれた。汗をかきにくいのなら、人工的な汗で、体温調節をすればいいのだ。
「外遊びのときには、霧吹きとうちわを持っていくことです。熱中症になる前に、顔まわりを中心に、霧吹きで水を吹きかけうちわであおぐ。これで、体温調節ができるようになります」(田村先生)
現代の夏バテの原因である“クーラーによる冷えすぎ”から体を回復させる意味でも、外遊びは有効だ。帽子、こまめな水分補給に加えて霧吹きとうちわで、今年の残暑にも熱中症対策をしておきたい。









