駆けっこが速く、誰でも逆上がり。
体育の家庭教師が人気

 
 

 大人向けフィットネスクラブやスポーツジムの人気が下降気味のなか、子供向けの体育指導ビジネスが好調だ。
 なかでも最近脚光を浴びているのが、体育の家庭教師。生徒の自宅近くの公園や公共施設に指導者が出向き、指導を行うビジネスだ。たとえば、関西・関東地区でサービスを展開しているトータルスポーツでは、リクエストがあれば幼稚園児から成人まで、縄跳び、鉄棒、自転車、跳び箱、サッカー、野球、バスケットなど、ありとあらゆるスポーツを指導している。

 3年前の開設から現在に至るまで変わらぬ人気を誇るのが、小学生への駆けっこの指導。特に春や秋の運動会シーズンには人気が高く、毎月2~3回実施している定員10人の駆けっこ教室は、予約受付開始後すぐに満員になるという。男女比は小学校低学年では半々だが、学年が上がるにつれ男児の比率が高くなるとか。やはり男の子にとって、足の速さは重要な関心事のようだ。
「プライベートレッスンでも、駆けっこは一番人気です。参加者は、足が遅いのが悩みという子と、今年もリレーメンバーに選ばれたいといった、走るのが得意な子に二極化しています」と、同社代表の占部走馬氏は言う。「といっても、学校の駆けっこに運動神経は関係ありません。腕の振り方や姿勢など、ちょっとしたコツをつかめば0.5秒は速く走れます。そうすれば順位はぐっと上がりますよ」

教科の勉強だけでなく体育も「家庭教師」を頼む時代に──。トータルスポーツの駆けっこ指導風景。

 プライベートレッスン料は1時間6300円、駆けっこ教室は1時間2100円。指導内容は実践的だ。速く走るには足の回転を速くするか、歩幅を広げるしかないが、前者の改善はそう容易ではない。「そこで、地面に一定の間隔で設置したミニハードルを越えながら走ってもらったり、先生が併走して腰を押してあげたりといった方法で、歩幅を広く取って力強く地面を蹴り、腕を大きく振って走る感覚を体得させます。この指導法で、1年生から5年生までずっとビリだった子供が2番になった例もあるんです」(占部氏)。最近では中学入試対策として「縄跳びや鉄棒を教えてほしい」という依頼も増えてきたという。

 一方、運動能力の強化に加え、社会性や協調性も身につけさせたいという親に好評なのが、子供向けのスポーツスクール。コナミスポーツ&ライフが運営する「運動塾」は、生後八カ月の赤ちゃんから中学生までを対象に、水泳や野球など10のコースを用意している。最近はサッカーやゴルフ教室の参加者が増えているものの、根強い人気を集めているのは、鉄棒・跳び箱・マットを中心に指導する体育教室。料金はスクールによって異なるが、平均で月6300円(週一回)だ。
「ここに通えばコーチのもとでダイナミックに体を動かして遊べ、友人もつくれる、しつけにもなるという理由で申し込まれる親御さんが多いですね」と、同社品質保証部体育事業統括部部長の橋川佳代子氏は言う。

 要望が多いのは、駆けっこと逆上がり。運動会での足の速さと同様、逆上がりができるかできないかは小学生にとって大きな問題だが、学校の先生の指導だけではうまくできない子もいる。そこで、「運動塾」の出番となる。
 逆上がりでは、マットで後転をして「後ろに回る感覚」をつかんだ後、跳び箱やタオルを使いながら足の蹴り方や回り方の要領を体得し、最後は振り上げる靴を見ながら回ってみる。「これで100%できるようになります」と橋川氏。「大事なのは運動する経験を積むことです。運動ができるようになれば自信がわいて、リーダーシップが取れるようになる。決断力がつくんですよ」
「運動音痴は親譲り」などと決めてかからず、思い切ってプロの指導を仰ぐのもいいかも。

 
 

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