テスト前はクラスで奪い合い
灘中の学年トップ
「行列のできるノート」は芸術品
灘中に「ノートの神様」と呼ばれる生徒がいるという。
成績も文句なしのトップクラス。
いったいどんなノートをつくっているのか。
どうしてそんなに
きれいにノートを取るの?
村田 高島のノートはどれも参考書みたいにきれいや。とくに幾何のノートは、図形も正確やし、芸術品の域やな。
荒木 先生が猛スピードで板書するのに、よくこんな丁寧に書けるな。
國友 余白も随分とってるな。
高島 新しいテーマになったら、すぐページを変えてる。
村田 ぼくはできるだけ詰めて書く。ノート節約派なんや(笑)。
荒木 村田の1ページ分を、高島は3、4ページも使って書いてんぞ!
高島 実はきれいに見えるのには秘密があってな。罫線にドット(点)が付いてるノートを使ってるからなんや。
村田 ドットを目印に線をつなげば、図形がうまく描けるというわけなんか。
高島 書き出しも揃って見やすくなるから全科目に使ってる。お薦めやで!
國友 高島のノートは見やすいだけじゃなくて、内容も完璧やからテスト前は写させてもらってる。とくに公民はすごい。最近はほかの友達の予約も増えてるし。
荒木 公民は毎回3~5個ぐらいのキーワードしか板書せんから、写させてもらう必要ないんちゃう?
村田 雑談的な話が多いもんな。
高島 そこからテストに半分ぐらい出るんや。だから雑談も書き取ってる。
一同 ほんまや! ほぼ書いてるわ。
荒木 テストでは自由記述が多いし、だいたい合ってれば点数もらえるから写さんでええやろ。
高島 でも、考えるときのヒントになるし、写しておくと安心なんや。
村田 「地球温暖化」についてグループ発表したときの、生徒の発表も書いてるな、このノート。
高島 先生の感想も、全部書いてるで。
國友 解説ばっちりの教科書ガイドみたいやな。いつも助かってるわ!
村田 実を言うと、ぼくはノートなんか自分だけがわかってれば十分と思うんやけど、なんで高島はそんなにきれいに書こうとするんや?
高島 そうやな。きっかけは、塾で欠席者用にノートをコピーさせてやる役目を負ってからかな。「あとで誰が見ても、ぱっと見てわかるように書こう」という意識が芽生えたんや。
一同 そんな意識、ふつうないやろ(笑)。
高島 二人の弟が、将来、受験勉強するときに見せてやって、すぐ頭に入るように書いとこうという思いもあるわ。
村田 かわいがっている弟に財産を残そうという意志があるわけか。
國友 立派やわ。ぼくなんて、テストが終わったら必要ないから捨ててるで。
高島 小学1年から全部とってあるよ。
村田 芸術品やし、ノート博物館が作れそうやな(笑)。
高島 みんなのノートも見せてや。
荒木 地理のノートは、テストの暗記対策に役立つように、三学期からちょっと工夫したんや。
村田 チェックペンで真っ赤やな!
荒木 プリント(授業中に配られる)をノートの左側に張って、板書はノートの右側に書いてる。
國友 地理はノートを作ってないわ。板書は、プリントに直接書き込んでる。
村田 ぼくも。地図とかはすごく小さくなるけど、関連項目のすぐ横に書いたほうがわかりやすいし。
荒木 地図は大きいほうが見やすいから、地図帳を見ながらノートに写す。
高島 地形がリアルやなあ。これはテスト勉強のときわかりやすくてええな。
村田 ぼくはノートの取り方には全然こだわらんから、工夫してるのはテスト対策のまとめ用紙ぐらいやな。
荒木 字が細かいなあ!
村田 B4サイズ1枚に、プリント5~10枚分の内容を書き出してるんや。
高島 内容がトビトビになってるな。
村田 自分がわかってるところは書く必要ないから切り捨てて、覚えにくい個所だけを書き出してる。
高島 なるほど。プリントを自分仕様に再編成するわけやな。
國友 ぼくはテスト前は、本当に高島のノートが頼りなんや。
高島 コピーはせんで、自分でちゃんと書き写してるからよしとしたろ(笑)。
荒木 何を考えながら写してんの?
國友 高島のノートを解説書として、自分に説明したり語り聞かせながら読んでる感じ。朗読みたいに。
村田 それは一番理解が深まるなあ。
荒木 そういえば、中学受験時代は、全く算数のノートを取らんかったわ。
高島 信じられへん! 間違えた問題の解き方もか?
荒木 うん。解説を聞いて考えるだけ。
高島 そのときわかってても、あとで忘れて、「何やったかな?」となったら、ノートがないと困るやろ?
荒木 算数ではそんなことなかった。
高島 荒木は天才肌や! あの難問を全然ノートに取らんでわかるなんて!
國友 ぼくも、じっと板書を見てるほうが多かったわ。それに算数の図形は定規を使わずにフリーハンドで描いてたし。だから解くのも早かったで。
一同 すごいな、これ!
荒木 円もコンパス使ってないん?
國友 簡単や。どんな図形も、描く前に、だいたいの見当をつければええだけやし。早く書けるし、ドットノートもいらん。
高島 いや、ぼくは一生手放せん!
村田 ぼくは今と同じで、ノートに取る必要があるかないかを選別して、取らん場合、別の問題を解く時間にしてたわ。
高島 わかった! 天才タイプは、ノートを取らないでも、聞いてすぐ理解できる。でも、ぼくは天才タイプじゃないから、ノートをひたすら取ってるんや。
荒木 国語も全然取らなかったなあ。
高島 どうやって勉強したん!?
國友・荒木 頭の中で理解してたんや。
高島 ぼくは授業中、聞いててもよくわからんことがあるから、とりあえずノートを取っておけば安心やと思って書いてた。塾の帰りの電車の中でノートを見て復習して、やっと「こういうことやったんだ」と理解してるで。
荒木 国語は全く同じ設問が出る確率が低いから、わからんことを書いても意味がないって割り切っとったわ。
高島 ぼくは国語の記述問題の解説は、一番大事やと思ってたよ。できたやつも、とにかく全部写してたわ。
國友 何を考えながら写してるん?
高島 「自分の解答の導き方と合ってるかな」とか、「もっと具体的に書くべきやったな」とか。板書と自分の答えを頭の中で照らし合わせて再確認してた。
荒木 あんなにノートを書きながらも、脳をフル回転させてたわけか。要は授業に集中してるってことや。
高島 その習慣で中学に入っても、途中でわからんことがあると、今ここで集中して聞いてちゃんとノートを取ろう、ノートで復習したら、後で絶対理解できるっていう思いはあるなあ。ノートに自分の思考の跡を残そうという意識はあるわ。
村田 だから、復習に役立つんやって!
一同 高島はこれからもノートの神様としてがんばってくれや!









