DHAを摂るのに最高の魚って?
(5)イワシ、アジ、サケ
「脳の性能は脂質が決める」。
この事実を知った瞬間、我々の目からウロコが落ちた。糖質もタンパク質も大事だが、脳の栄養素として脂質は特別だ。脂の種類によって、脳の細胞膜の構造は違ってくるし、頭の回転まで変わる。しかも、良い影響を与える不飽和脂肪酸、なかでもオメガ3を含む食材は限られているのだ(本誌26ページ参照)。
このオメガ3の代表格がDHA。では、この脂の正体は何か?
「凍らない脂です。マイナス45度まで凍らない。冷たい環境で生きる動植物が自分を守るために生成します」(南氏)
だから海にすむ「魚」に豊富なのだ。魚介類であれば青魚に限らず、貝やエビ、イカやタコにも含まれる。ただし、イカやタコなどは脂質中に含まれるDHAの割合は多いのだが、いかんせん脂質自体が少ないため、やはり脂がたっぷりのった青魚がいちばん。ブリやサバ、マグロのトロなどが、総摂取量は多くなる(青魚とは「皮の色が青色の魚」である。念のため)。
また、最近はスーパーに並んだ魚にも必ず「養殖」「天然」の表示がされるようになった。値段を見ると、やっぱり天然ものが若干高い。となると栄養分も天然もののほうがいいのだろうか?
「基本的にはそれほど変わりません」
と、こばた氏。養殖魚の代表はブリだが、表を見ても天然ブリと養殖のハマチ(小型サイズのブリ)ではDHAの含有量に差はない。天然か養殖かで迷った場合は養殖でも問題はないだろう。
さて実際にスーパーや鮮魚店で青魚を前にして、まず考えるのは「どうやって食べようか」という調理法である。下手に手を加えてしまうと、この貴重なDHAが消えたりするのでは? 齋藤氏は言う。
「DHAは安定した脂であるため、調理の熱に強い性質があります。煮たり焼いたりしても成分の80%は残る。冷凍や干物にしても大きな変化はありません」
つまり、「魚に含まれるDHAを余すところなく摂取するという意味では、刺し身が最も理想的」(南氏)だが、煮ても焼いても平気なのだ。さらに煮干し、水煮の缶詰などの加工品でも大丈夫。
煮魚にしたりすると煮汁の表面に、サラサラと細かい油膜が出る。そこにもDHAは含まれているので、塩分過多にならない程度に、煮汁も大事に頂きたい。
ただし、天ぷらや空揚げなどにすると、DHAは半分近くに減ってしまう。これは魚の脂質が揚げ油のほうに溶け出してしまうため。もちろん食べないよりはいいが、少しもったいない気もする
また、魚の頭部、目玉の裏側などには、身の数倍のDHAがある。魚の目玉を食べると頭が良くなる、といわれるのは本当なのだ。「魚はあんまり好きじゃない」という子供は多いが、「かぶと焼き」など、イベント性のある料理を食卓に並べてみるのもいいかもしれない。










