▼休日に一人で遊びに出たいとき

 
 

「家族とは仲良く過ごしたい。でも自分の意志も、時には通したい」
どんな言葉を使えばうまくいくのか?
プレジデントファミリー10月号誌面では
夫婦関係編と親子関係編に分けて座談会を開き、
読者へアドバイスをもらった。
ここでは、恐妻家の哲学者、恋愛漫画の神様、落語家きっての愛妻家の
3人による「夫婦関係編」の一部をご紹介。

 

 
 

哲学界一の恐妻家
土屋賢二
1944年岡山県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部教授。作家。週刊文春に連載しているエッセー「ツチヤの口車」が大人気。著書に『ツチヤの貧格』『純粋ツチヤ批判』などがある。

漫画界一の恋愛の神様
柴門ふみ
1957年徳島県生まれ。漫画家。お茶の水女子大学卒業後、夫である弘兼憲史氏のアシスタントを経て79年漫画家デビュー。代表作に『東京ラブストーリー』『Age,35』などがあるほか、恋愛や結婚に関する著作も多数執筆。20代の娘と息子がいる。

落語界一の愛妻家
林家たい平
1964年埼玉県生まれ。落語家。武蔵野美術大学卒業後、林家こん平師匠に入門。2000年真打ち昇進。NHK新人演芸コンクール優秀賞などを受賞。現在テレビ番組「笑点」の大喜利でも活躍中。2男1女の父でもある。


上島寿子=構成
遠藤素子=撮影

 
 

 

男は、家族が大好きな男と
大嫌いな男の2種類に分けられる


柴門 男の人って「家庭が大事」とか言いながら、休みの日に一人で出かけたがりますよね。女性にしたら、不思議なんですけれど、お二人はそういうとき、どうされるんですか?

土屋 僕の場合、一人で遊びに行くのはすごく簡単なんです。「哲学的思索にふけりに行くから」と言えばいい(笑)。

柴門 家で思索はできないから、と。

土屋 困るのは家にいたいとき。そういうときには口実が要るんです。「今日は体調が悪いから」とか。

たい平 私は基本的に、休みの日は子供と一緒にいたいと思っています。でも、たまに出かけたいときは、その前に一生懸命働いてますね。洗濯物をたたむとか家事をして、「来週はちょっと友達と出かけたいんだけど……」と切り出す。

柴門 ポイント制みたい(笑)。

たい平 まさに、そうです。ポイントが貯まったら、出かけられる(笑)。それに手伝いをして「ありがとう」って言われると嬉しいじゃないですか。今では特に出かける予定はなくても、家事をするようになっている……。男なんて単純ですから。

柴門 それはもう、完全に奥さんに操縦されちゃってますね(笑)。うちは夫を操縦できるなんて思わなくなった。夫は団塊の世代で、考え方がまったく私と違うんです。私の要求は聞き流して、都合のいいことだけしか頭に残らないみたいで、衝突にもならないです。

たい平 すごい。奥さんの話を聞き流すことができるなんて!

土屋 夫婦の間で考え方が噛み合わないというのは、うまくいく秘訣かもしれない。

柴門 私の人生経験から言うと、男は2種類に分けられます。家族が大好きな男と、家族が大嫌いな男。うちの夫は家族が大嫌いな男なんです。息子が、「お父さん、もうちょっと家にいて」と言ったら、「俺は甘える子供が嫌いだ。銀座のネオンが俺を呼んでいる」と言って出かけてしまう(笑)。もう、あっけにとられるしかなかったですね。

たい平 ひぇぇ、僕がそんなことやったら怒られますよ。

土屋 まぁ、そこまで極端じゃないにしても、男のほとんどが家に縛られたくないという気持ちを持っているんじゃないかな。たい平さんみたいなタイプは珍しい気がする。

たい平 私の場合、落語家になってから6年半、師匠の家に住み込みをしていた時代があるんですね。そのときに比べると今はすごく自由。

柴門 苦境に耐えられる体質になっているんですね。

たい平 もっとも、僕も最初からこういう男だったのではなくて、結婚していろいろぶつかり合いがあったとき、自分の気持ちを切り替えてみたら少し楽になった。今は、カミさんに操縦されているほうが、楽だと思ってるんです。

柴門 楽なんですか?

たい平 はい。飛行機でも操縦桿(かん)を握ってなければ、責任がないから外の景色もゆっくり見られるし(笑)。

土屋 僕も女房に操縦はされているけれど、決して心地よくはない(笑)。なんでこんなに我慢しなきゃいけないのかと思いますよ。うちの女房は絶対に妥協しない。逆らうには、ものすごくエネルギーを消費するんです。だったら逆らわないようにするしかないと思って。怒られるのが嫌で、どうでもいいことに嘘をついてしまうこともあります。

たい平 例えば、どんなことですか。

土屋 女房が昼ごはんを作るっていうから、「いや、今、腹減ってないから要らない」とか言って、家から5分ぐらいの喫茶店で、毎日のようにランチを食べていたんです。単純にそこのランチが食べたかっただけなんだけど。で、あるとき、その店に女房と行ったら、いつもは口をきかないウエートレスが、その日に限って、「今日はお二人ですか」と声をかけてきて……。

たい平 バレちゃった(笑)。

土屋 後で痛い目に遭うのなら、正直に「あそこのランチが食べたい」と言えばよかったんだけど、これがなかなか言えないんですよ。

 

(続きは本誌をご覧ください)

 
 
プレジデントファミリー 2009年10月号
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