民主党「子ども手当」で
お宅の家計は手取り大幅増になる?
8月30日投票の総選挙。子持ち世帯に気になるのは、民主党が打ち出した数々の家計支援策だ。中でも関心が高いのは、やはり「子ども手当」の創設だろう。中学卒業まで、子供一人あたり月額2万6000円を支給するというもので、現行の児童手当(一人あたり月5000~1万円)より大幅な増額となり、所得制限もない。
一方、その財源として所得税の配偶者控除と扶養者控除が廃止される。ただし、16歳以上22歳以下の親族に対する特定扶養控除、老人扶養控除については現行のまま。住民税の配偶者控除・扶養控除も継続される。
これが実現したら、どんな世帯が恩恵を受けるのか。「端的に言えば、子供のいる世帯はすべて収入が増えます」と、税理士であり独立系ファイナンシャルプランナーでもある、服部会計事務所の服部英樹氏は言う。
子供一人の世帯を例に取れば、子ども手当は月に2万6000円、年間で31万2000円がキャッシュで入ってくる。一方、扶養控除と配偶者控除は38万円ずつで、合わせて76万円。これに税率を掛けたものが実際の控除額となるが、所得税の最高税率は40%(年間の課税所得が1800万円を超える場合)だから、控除額は最大でも30万4000円止まりだ。
「子育て世帯の大多数を占めるのは、税率でいえば10%または20%が適用される所得層(課税所得が195万円を超え330万円以下、同330万円を超え695万円以下)です。そうした世帯は、子ども手当の恩恵をより受けるはずです」(服部氏)。課税所得が低いほど、また子供の数が多いほど、家計へのプラス効果は大きくなる。
民主党の試算では、年間の給与収入が500万円の子供一人世帯で年13万4000円、600万円の子供二人世帯で年39万4000円の収入増。配偶者控除の恩恵を受けてこなかったフルタイム共働き世帯なら、控除廃止分の「増税」が発生せず、収入増効果はさらに高い。
子供が高校生になると子ども手当の支給はなくなるが、特定扶養親族として一人あたり63万円が課税所得から控除される。さらに高校生に対しては一律年間12万円の学費補助、大学生に対しては奨学金制度の拡充を行うと、民主党は主張する。
自民党などからは財源の確保を疑問視する声も上がっている。子ども手当だけでも、必要な予算は民主党の試算で5兆3000億円。扶養控除と配偶者控除の廃止による税の増収は1兆6000億円程度とみられ、差し引き3兆7000億円の財源が必要になる。「消費税なら2%近い引き上げが必要な額です。国民が納得できる財源案を、きちんと提示する義務が民主党にはあるでしょう」(服部氏)
とはいえ、中高年受けを狙う公約が多かった過去の選挙に比べれば、若い層にも配慮した意義あるものと服部氏は言う。民主党の政策は将来世代への「投資」である一方、富裕層や比較的年齢の高い層には、相続税制の改正や基礎控除の見直しで負担増を求める可能性が高い。
「そうした富の配分を決めることは、まさに政治の仕事です。これからの世代にも目を向けているという意味では、投票率もこれまでになく高くなると思います」
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