カロリー計算はなかなか難しい

寝る前のラーメンもOK
暗算ダイエットがあった

 
 

夕食を少なく、バランスよく、酒は控えて、ジョギングを日課に……
巷に流行るダイエットの常識に疑問を呈す現役医師が
人間の脳と体のしくみに基づいた方法を提案。
これなら続けられる!

 
 

教える人
乾 哲也 医師・医学博士

小川 剛=文

 
 

 大人でもなかなか決心が続かないことのひとつに、ダイエットがある。
 脂肪を減らすポイントは、食事制限と毎日の運動。頭ではわかっているけど、これがなかなか続かない。食事の量を減らすのはもちろん、食べたいものが食べられないのも辛い。甘いものは控えなければならないし、から揚げやポテトフライなどの脂っこいものはご法度。食事制限している身では、走る気力もなかなか持続しない。

「ダイエットは難しく考えないことが大切です。長続きしない人の多くは、こうしなければいけないとか、あれをやってはいけないという思い込みに基づいて頑張ってしまう。やせるのに努力はいりません。正しい知識に基づいたダイエットなら、それほど苦しいものではないですよ」
 こう語るのは医学博士の乾哲也先生。乾先生は生活習慣病の保健指導を行っている医師で、『メタボ氏のための体重方程式――わかると治る生活習慣病』(創元社)の著書がある。
「とにかくやるべきは内臓脂肪を減らすこと。では内臓脂肪を減らすにはどうするかといえば、摂取エネルギーを減らすか、消費エネルギーを増やすか、すればいいのです」

 乾先生が説くダイエットの原則はいたってシンプル。式で書き表すと[摂取エネルギー]-[消費エネルギー]=体重増減。摂取エネルギーが消費エネルギーより多いとき、貯蔵エネルギー(主に内臓脂肪)が増えて体重は増える。つまり太る。摂取エネルギーと消費エネルギーが同じならば太らない。
 体重を確実に減らすには、摂取エネルギーを減らすか、消費エネルギーを増やすかすればいいのだ。ダイエットの文脈でいうと、摂取エネルギーを減らすのが「食事制限」、消費エネルギーを増やすのが「運動」であるが、運動で消費エネルギーを増やすのは現実的ではないという。

「体重80kgの人が汗水流して30分歩いて消費するエネルギーは約150キロカロリー。ご飯3口分(90グラム)です。運動による消費カロリーというのは期待するほど多くない。もちろん、適度な運動は心身の健康にさまざまな効果があります。しかし、頑張って運動しているから食事は今のままで大丈夫という人には、運動による消費エネルギーの少なさを認識してもらう必要があります。普段の食事から取るエネルギーを減らしたほうが、効果は大きいのです」

 体にキツイ運動を強いて早々に挫折したり、運動した反動や安心感で食べてしまったら逆効果。ヘタな運動をするなら、摂取エネルギーを減らす「食事制限」に専念したほうが長続きするという。
 これまでダイエットの常識とされてきたことが、しばしばダイエットの成功を阻んできたと乾先生は指摘する。たとえば「夜遅く食べると太る」。子供の頃から「食べてすぐ横になると牛になる」と言い聞かせられたものだが、この“常識”も先生は切って捨てる。

(続きは本誌をご覧ください)

 
 
プレジデントファミリー 2009年9月号
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