![]() |
|
語学としての英語だけでなく、英語を通じた 「国際理解教育」にも注力(写真はイメージ)。 |
関西を代表する私大「関関同立」の一角として、123年の歴史を誇る関西大学。その関大が、2010年、高槻に新キャンパス「高槻ミューズキャンパス」の開設を構想し、小学校の設置を企図している。関大は、幼稚園、中学校、高等学校をすでに併設しているが、関関同立のなかでは唯一、小学校をもたず、その新設は学内外から待望されていた。
小学校の新設自体は珍しくはない。近年、有名私大の小学校新設は相次いでいる。だが関大の構想はそれらと一線を画す。新キャンパスに設置されるのは小学校だけではない。同時に中学、高校も新設され、12年間を1つのキャンパスで学ぶ、一貫した体系的なカリキュラムが構想されているのだ。新キャンパスにはJR高槻駅北側に敷地約1万7000平方メートルを確保。学びやの高層ビルには大学や大学院も設置され、社会人も学生に迎える。ここまで幅広い年代が一つの場で学ぶ構想は、世界でも先駆的といえる。
こうした、独自の一貫教育から期待されることはさまざまだ。「教育理念の浸透」「異世代との交流」「地域との絆の強化」等々……。一方で、大学と連携した一貫教育としては、大学の「知的資産」の活用が大きな利点となる。今回の構想では、例えば総合情報学部と連携し、ICTを活用した教育が導入される。これらの関大ならではの知的資産やコンテンツが、どんな魅力的な学びを演出するか、期待を込めて注目したい。
![]() |
スパイラルアップ型教育で確かな学力を発展的に身につける 従来の教育では、小学校から中学校へ進学する際、カリキュラムの重複や隙間ができ、中1ギャップが生じた。同一キャンパス内での12年一貫教育だからこそ、教師間の連携も容易になり、内容を深めながら段階に応じて繰り返し学べるスパイラルアップ型カリキュラムが可能となる。 |
|
公立中学校の英語教諭を務めた経験を生かし、学部や大学院で英語教育法の教壇に立つ。ラジオ講座テキスト執筆協力やテレビ出演でも著名。01年、(財)語学教育研究所よりパーマー賞受賞。 |
|
-

関西大学の学生による「サッカー教室」の取り組み。こうした光景が、日常のものになる。 -

これまでに行われた「サイエンスセミナー」。大学生と小学生との多様な交流が期待される。

新しい表現やコミュニケーションのツールとしてICTを活用したいと考えています。単にコンピューターの操作スキルや情報活用能力を伸ばすのではなく、情報機器を使うことで子供の自己表現をより豊かにすることを目指します。また、小1から大学卒業までの成長の足跡を蓄積する「パーソナル(e‐)ポートフォリオ」の構築を進めています。図画工作や自由研究、スピーチなどの、各人の表現の記録の蓄積。それはまさに成長の証し、“宝物”と言えます。時に応じてそれを確認しながら、自らの立ち位置や目標を確認できるシステムで、一貫教育をより豊かに支えることができればと思っています。関大ではこうした試みがヴィヴィッドに展開できる、そう実感して私はいまここにいます。
ICT教育の第一人者。ICTを中核に、12年間の一貫教育全般を設計する。慶應義塾幼稚舎、湘南藤沢中・高等部で教諭を務め、中学、高校の情報教育のグランドデザインを策定した。NHK教育テレビ「高校講座情報A」でも活躍中。

小学校では、英語を教えるというより英語でのコミュニケーションを楽しませたい。13年間、公立小学校で英語教育にかかわってきた経験から、子供は英語を通じて変わる。それを見た教師が変わる。間違いを怖がるシャイな子も開放されるのか、授業での交流を通じて人との接し方を学んでいく。2011年度から一般の公立小でも英語の授業が始まりますが、私たちは小中高12年間を見据え、小1から毎日英語の時間を確保します。ネイティヴはもちろん異文化との交流などで常に鮮度を保ち、長期的な視野でコミュニケーション体験をデザインする。それに、学習成果をe‐ポートフォリオで確認し、各自の成長をきめ細かく保障する。子供は一人一人が宝ですから、私にとって。
心を育てる英語教育に定評があり、一貫教育における英語分野の初等教育を構想する。文部科学省等による「小学校における英語活動等国際理解活動指導者養成研修」を担当し、小学校学習指導要領解説「外国語活動編」作成にも携わった経験をもつ。












