お宅の近所の学校は入っている?

現役教師がお薦め
私立に優る公立中学校 全国160選

 
 

「あなたのナンバーワン公立中学校を
教えてください」──
現役教師に調査を行ったところ、
あまたの学校名が挙がってきた。
なかでも強く光を放つ学校を訪ねてみた。

 
 


山田清機=文

gooリサーチ=調査協力

 
 

 

推薦の理由
「伝統校として、
長年積み上げた校風」


 仙台市立五橋(いつつばし)中学校は、仙台市の名門中学のひとつだ。創立1910年。仙台市の中心街、青葉区五橋に立地する。五橋中→仙台一高→東北大学という進学ルートは、仙台市民にとって、代表的なエリートコースのひとつである。
 五橋中は、昨年度の全国学力テストにおいて、国語Aで5ポイント、Bで10ポイント、数学Aで10ポイント、Bで12ポイントも全国平均を上回っている。
 なぜ五橋中のレベルが高いかといえば、最大の要因は周辺環境にある。東北大学周辺が学区に含まれるため、東北大の教官の子弟が多く集まると同時に、歴史の古い商店街の老舗の子弟も多い。さらに、図書館や博物館などが集中する文教地区が近くにあり、生徒は日常的にこうした施設に出入りできる。伊藤喜壽雄校長が言う。
「4万3000人を超えるOB、地域の方々、保護者、生徒、教員の学校愛は尋常ではありません。だから五橋には誇りが満ちているのです」
 同時に、生徒の生活習慣も極めて良好な状態にある。
「早寝早起き、朝食の摂取、テレビ・ビデオの視聴時間など、いずれも全国平均よりいい数字です。学校が楽しいと答えた生徒の割合は98%と、全国平均を8ポイントも上回りました。生徒の学習意欲、読書意欲もすこぶる高い」
 つまり、周辺環境だけでなく、個々の生徒の家庭環境も素晴らしいというわけだ。しかし……と伊藤校長は言う。
「それならば、五橋が優れているのは元々生徒の能力が高いからということになる。教員は生徒の力を押し上げているのだろうか、という疑問がわいてくるのです」
 赴任3年目の伊藤校長は、自身が五橋中に与えた影響を検証できるのはこれからだというが、決して名門校校長のいすに安住しているわけではない。五橋中のレベルをさらに引き上げることに、情熱をたぎらせている。
「一般教員に、もっと背負えという意味で『五車の念』という言葉を投げ掛けています。五橋の教員は、生徒の学力を底上げしたいという意欲で目の色が違います。目標は国立の中学に勝つことです」

 五橋中ではこのくらい高いハードルを設けなければ、教師の存在意義はないという意味だろう。
 いずれにせよ、五橋中のレベルの高さは地域性を抜きには語れない。だとすれば、恵まれない地域の公立中に希望はないのか? 実は伊藤校長は、二つの教育困難校を立て直した経験を持っていた。
「どんなに荒れた学校でも、ファストフードではなくお膳の食事を出せば必ず立ち直る。うちの生徒は味がわからないからファストフードでいいという教員はダメ。当たり前のことを当たり前にやれば、学校は必ずよみがえります」
 だが、伊藤校長の「当たり前」はすごい。登校しない生徒を、毎朝校長自ら迎えに行ったというのだ。
「校長が迎えに行けば、一般教員も動かざるを得ない。教員の意識改革が点から線、線から面と広がっていけば、学校は変わるのです」
 伊藤校長は、五橋中でも生徒の出迎えを継続している。

 

(……続きは本誌をご覧ください)

 
 
プレジデントファミリー 2009年5月号
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