(1)成長期以降に矯正を始めると
妥協が多くなる

 
 

 

 わが子が大人になったとき、きれいな歯並びでいてほしいと願うのが、親心。少しでも気になったら、早めに治療を始めたほうがよいのだろうか。
「一般的に、歯科矯正を始めるのに一番いいタイミングは、子供の歯と大人の歯が入り交じっている時期だといえます」
 そう語るのは、東京医科歯科大学勤務を経て、2005年に開業した「プライム矯正歯科」の割田博之先生。
 この時期を混合歯列期と呼び、小学校3、4年頃が目安だ。気になるようなら、一度矯正歯科に相談するのがよい。
「あごが小さくて大人の歯が入りきらないと予測される場合は、あごを広げてスペースを確保する治療も可能です」
 すべて生えそろった後だと、歯を抜かなければいけない確率も高くなる。
 一方、受け口や出っ歯など、あごの大きさがアンバランスである場合は、あごが成長する時期に合わせて治療するのが効果的だ。
「小学校高学年から高校生にかけてあごの骨がグッと成長する時期があります。ちょうど身長が伸びるのと同じ頃です。その成長を利用して治療を行います」(割田先生)
 また、噛む癖によって下のあごが出てしまっている場合は、本格的なあごの成長期の前にその癖を治すことで、正常に成長することもある。
 ただ、あごの形は遺伝的要因も強く出る。例えば、成長期に下あごが伸びすぎて、激しい受け口になることもある。このような子供は、あごの成長が止まるまで様子を見る場合も。
「規格化された頭のレントゲン写真を一定期間置いて何枚か取れば、ある程度はどっちの方向へどのくらい成長するかは予想できます」(割田先生)
 大人になっても歯科矯正はできるが「選択肢が少なくなり、妥協が多くなる」と割田先生は言う。むし歯の治療で詰め物があったり歯茎の状態が悪かったり、大人になればなるほどさまざまな障害が増え、なかなか思うように治療ができないことが多い。しかも、あごの成長はすでに止まっているので、大きなズレを治すには外科手術が必要なこともある。
 始めるのに適した時期は、子供によってそれぞれ。やるかやらないか、やるとしたらいつがいいかという歯科医の判断が非常に大事だ。定期的に検査を受けて、ベストタイミングを見極めてもらうのがいい。


 
 
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