ファミリー情報局
漫画、ドラマ、映画に理系ブーム
若者の「理科離れ」に悩む大学には朗報?
子供たちの理科離れが叫ばれる一方、世間では最近ちょっと「理系ブーム」だ。小説、映画、TV、漫画など、さまざまな形で理系のテーマやキャラクターの露出が増えている。
代表例が、東野圭吾原作のTVドラマ『ガリレオ』だ。福山雅治扮する天才物理学者が、理系ならではの発想で難事件を解決していくこの作品は、シーズンで1、2を争う視聴率を獲得。同じ主要キャストで映画化されたシリーズ作の『容疑者Xの献身』も、2008年10月の公開以来大ヒットしている。
単行本の分野でも、理系男性の生態をコミカルかつ愛情を込めて描いた『理系の人々』や『理系クン』が売れ行き好調。08年10月からは国立科学博物館が、微生物の世界をテーマとした人気漫画『もやしもん』のキャラクターを使い、特別展「菌類のふしぎ――きのことカビと仲間たち」を開催中。きわめて地味でマニアックなテーマにもかかわらず、小学生から大人まで大勢の観客を集めている。
マーケティング会社、トレンダーズの黒川涼子氏は、ブームの背景を次のように見る。
「火付け役は、03年に出版された小説『博士の愛した数式』。数学の奥深さを一般に知らしめた作品です。それ以後も、『ガリレオ』シリーズやノーベル賞受賞のニュースなど、難しいイメージが強かった理系の学問の魅力が伝わるきっかけがいろいろ続きました」
女性の間で理系男性の人気が上昇しているとも黒川氏は言う。「頭が良さそうだけど何を考えているかわからないというミステリアスさ、生真面目さが新鮮。職業が『手に職』系で安定している点も魅力です」。

当の研究者は、ブームをどうとらえているのか。東京大学大学院理学系研究科准教授で、同研究科および理学部の広報も担当する横山広美氏は、「地道に新しい価値観を提供し、新しい世界を切り開いている人を世の中が見直す傾向にあるのかもしれません」と分析する。
現在のブームの中では、「メガネに白衣」というステレオタイプなイメージが先行するケースも少なくないが、理系への期待感が高まること自体は望ましいと横山氏。「子供たちの科学への興味を高めることにもつながるのではないでしょうか」
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