解答の書き方を見ればわかる
得意だった子が大学受験で失速する三つの盲点
子供のノートを見るだけ、テストの答案を眺めるだけで、
将来の大学受験の行く末がわかってしまう。
一見、デキる子ほど陥りやすい落とし穴。
わが子は見事にハマッているかも。
盲点その1:解答の書き方
賢い子の危ない口グセ
「答えが合っていればいいでしょ?」
ヒラメキが冴える
子供ほど苦労する!?
「ウチの子は計算が速くて、正確。答案用紙もキレイに書く」
そんな「算数が優秀」な小学生が実はアブナイ。スマートに、頭の中でパパッと加減乗除をし、ヒラメキも冴え渡る。解答欄にはびしっと「答え」のみ。それが何だかカッコいい。小学校や塾の教師が“途中経過”の式も書くようにと指導をしても、「答えが合ってるんだから、いいじゃん」と耳を貸そうともしない。
そもそも、小学校時代の算数は、答えに至る過程を書かなければいけないほど複雑ではない。答えはいつも一つだし、たまに解答の理由を聞けば「これが~だから」と一言で説明すれば事足りる。そして、テストで不正解の大半を占めるのが「計算ミス」。問題を解く考え方は合っていても、数字が一つズレただけで、点がもらえない。できる子供が「算数は答えさえ合えばいい」と考えるようになるのも、当然といえば当然だ。
しかし、算数が数学になったとき、「そうした子ほど失速する可能性が高い」と東京・吉祥寺の学習塾VAMOS代表の富永雄輔氏は言う。算数はほとんどの場合、解答の「数字」だけを書けばマルだが、数学は主に「記述式」解答となり、“場合分け”の答えを用意する必要も出てくる。証明問題などはその最たるもの。小学校時代にヒラメキで答えていた「算数のセンスが光る子」ほど大変だ。「直感」をわざわざ書いて説明しなくてはいけなくなるからである。
中学生になったとき、子供は「何でこんな面倒くさいことをさせるのか」と思うかもしれない。一次方程式程度の問題なら、まだ直感で答えられるからだ。だが、考えてみれば国公立大学の二次試験は記述式だ。ということはヒラメキで解答できる問題は少ないということ。デキる子にとって唯一の心のよりどころであった「正解」が出てこなくなるのだ。そのとき、かわりに点数を稼いでくれるのが、過程を書くことでもらえる部分点なのだが、これまでそんな訓練を放棄してきた子は、手が止まる。
中学受験に目を向けると、御三家をはじめとする難関中高一貫校などは、こうした事情をよくわかっているのだろう。小学生にも解答だけでなく「なぜそうなったのか?」を書かせる記述式の入試を実施する学校が多いのだ。
「算数の思考力を見抜く」入試問題として定評のある駒場東邦中学・高等学校の平野勲先生はこう語る。
「私どもの入試は『途中の式も採点対象』なので、全くの白紙という答案は少ないです。しかし、答えの出し方を書く欄に「何をどのようにしたいのか」が表現できない受験生は多いのです。また、過去問の解説を見て解き方を瞬間的に頭で理解した気になったり、先生の話にも『ふん、ふん』とうなずいているけれど、いざ書こうとすると手が止まってしまう受験生が多いとも聞きます。小学生はとかく解答が“舌足らず”になってしまいがち。でも、最終的に答えが出ない未完成の状態でも、途中までどういう論理・発想をしたかを手を動かして表現することが何より大事です。採点もそこを重視し、細かく点数をつけています」
ではこうした事態を避けるために、小学生時代から始められること、勉強で意識しておくべきことはあるか?
(……続きは本誌をご覧ください)
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