巻頭エッセイ
父母よ、子供を海外に出そう
近年、海外に留学する若者が多い。
しかし語学留学はあまり意味があるとは思わない。
語学は、道具であって、目的ではないからだ。
あくまでも、その先に目的があって、
語学はそれに辿り着くためのものにすぎない。
今春、私はオーストラリアの公立総合専門学校と提携して
留学生支援機関を立ち上げた。
オーストラリアは
「教育」が第四の輸出産業といわれるほどの教育大国であり
国を挙げて関連法律を整えるなど、留学生に対しても手厚い。
もちろん豊かな自然もあるし、治安もいい。
しかも世界の約200カ国から学生が集まっている。
世界中の若者たちと交わり、切磋琢磨(せっさたくま)する日々の中で
人間的にも鍛えられるはずだ。
そして何より、語学の習得に留まらず
ここではスキルを身につけることができる。
日本の中でだけ通用する「学歴」ではない。
世界で通用する専門的なスキルだ。
いわば「手に職」である。
グローバリゼーションの波の中でも食べていける力といってもいい。
これからの時代に重視される専門的な技術だ。
もちろん日本に戻っても役に立つ。
しかし日本に帰ってこなくてもいいと私は思っている。
世界をマーケットに活躍できる人材の登場こそが、
実は私の願いだからだ。
資源もなく、食料も乏しい日本は
この先、世界との関係性の中でしか生きていけない。
だから世界を相手にしても
個性を発揮できる、たくましい日本人に育ってほしいと思うのだ。
そう、世界のどこででも鍋一つで生き抜く華僑(かきょう)のように。
いずれにしても子供たちは無限の可能性を秘めている。
若者は未来を切り開く能力を備えている。
この島国に押し込めておくことはない。
この国を飛び出して、世界を舞台に活躍できる
「和僑」の誕生を願って
次の時代を担う若者たちの背中を、私は押す。









