ファミリー情報局

大学受験

AOも学力試験必修の流れか。一芸狙いは要注意

 
 
文=田中 裕
 
 

 出願者の個性や適性を多面的に評価するという触れ込みで、多くの大学が導入しているAO(アドミッションズ・オフィス)入試。すでに全大学合格者の4割を占める進学ルートだが、ここに来て少し風向きが変わりそうな気配がある。
 まず一部の国公立大学で、AO入試を廃止する動きが出てきたこと。一橋大学商学部、筑波大学国際総合学類、秋田県立大学電子情報システム学科では、2009年度入試からの廃止を決定。九州大学法学部も10年度入試から廃止する方針を打ち出した。8学科中7学科でAO入試を実施していた鳥取大学工学部は、すでに08年度から3学科で廃止に踏み切っている。

 主な理由として挙げられたのは、AO入試で入学した学生の学力不足。授業についていけない、語学力が劣るなどの傾向が見られると、大学側は指摘する。センター試験の得点提出も義務づけた推薦入試に切り替える大学も登場。中央教育審議会の大学分科会は、AO入試や推薦入試の受験生の学力を測る「高大接続テスト」の導入を提唱した。

 科目の得手不得手が激しくても高ランクの大学が狙えるなど、受験生にはメリットの多いAO入試。だが結局は、ペーパーテストで一定の得点が求められる方向に向かうのか。
「廃止を決定したのは、比較的偏差値や人気が高い大学。こうした大学を狙う学生にとっては、筆記試験力のアップが必要になるかもしれません」と、教育評論家の尾木直樹氏は言う。一方、AO入試を日本で最初に採り入れた慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)のように、AO入試生のほうが入学後の成績やモチベーションが高いという大学もある。「入念な面接、教育計画やフォローアップなど、要はやり方の問題です。安易に廃止を決める大学は、高等教育機関としての責任を放棄しているに等しいといえます」
 とはいえ、今AO入試を実施している大学が、わが子の受験時にもその制度を維持しているとは限らない。AO入試のみに懸ける作戦は、今後リスクが高くなるかもしれない。

 
 
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