part4 Q48

▼夏期講習の成果がまったくでない

 
 

井上一馬

翻訳家。作家。1956年、東京都生まれ。『一生使える英単語』や、娘の受験体験を書いた『中学受験、する・しない?』などの著書がある。

長山清子=構成
 
 

受験生ならジタバタしても始まらない。
志望校を下げるなどの対策をすべき

 
 

「夏期講習の成果がでない」という現実をどうとらえるべきか。二人の娘を中学受験させた経験者としてお話ししてみよう。娘たちは中高一貫校に進んだため、高校受験は未経験。だから中学受験に限った話だが、「いま小学校何年生か」によって次のようなことが言えると思う。
 もし6年生なら、夏期講習の成果が表れなかったからといって、ジタバタしても始まらない。親としては、もっと勉強のペースを上げればなんとかなるのではないかと思ってしまうが、なかなかそうはいかない。なぜなら夏が終われば、ライバルたちは本番に向けてラストスパートをかけてくる。ご存じの通り、「偏差値」とは母集団の平均値からの偏差を指す。ということは平均点そのものが上がるのだから、自分の点数が少しくらい上がっても、偏差値は動かなくなってくるのである。
 それに私はまだ11、12歳の子供に深夜まで受験勉強させるのはいいことではないと考えている。各家庭の方針や本人の性格によって一概には言えないが、もし夏期講習の結果がふるわないのであれば、志望校のランクを落とすことも検討したほうがいいのではないかと思う。もちろん例外はあるものの、偏差値は、受験の合否をわりと正確に予想するものだからである。
 受験に落ちた場合、子供は大変なショックを受ける。そのためにも偏差値を参考にして、実力に合った志望校選びをするべきではないだろうか。
 しかし、まだ5年生なら話は別だ。本番までに1年半弱ある。努力次第で学力を伸ばすことも可能だろう。
 ただ、偏差値を「1」上げるというのは大変なことだ。もし志望校が偏差値60で現在の偏差値が50ならば、その現実を重く受けとめて、1カ月に1ずつ上げていくような計画を子供と話し合って立てなければならない。また、塾を変えることを考えてみてもいいだろう。指導方針が合っていない可能性もある。しかし繰り返すが、これが6年生ならば、夏が終わった時点で塾を変えてもあまり効果はないと思う。


(……続きは本誌をご覧ください)
 
 
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