巻頭エッセイ
未来からの留学生
子どもは「未来からの留学生」だ。
彼らが中学、高校、大学と進んでいくにつれ時代も変わり、社会も変わっていく。
つまり子どもたちは「現在」とは違う「未来」を生きるのだ。
だから教育も、現在ではなく未来で役に立つものでなければ意味がない。
しかも、子どもたちが生きる未来はかなり困難な社会になる。
グローバリゼーションの波が確実にやってくる。
いろんな国のいろんな価値観に揉まれながら、
たくましく生き抜いていかなければならない時代になる。
おまけに「現在」のツケも、のしかかる。
我々が作った1000兆円もの借金を返していくのは子どもたちなのだ。
それなのに、この国は、
そんな子どもたちにふさわしい教育を提供しようとはしていない。
例えば、現代の社会を教えない。
現代の社会について教えると、いろんな問題が提起されるからだ。
「現在」を知らずして「未来」を考えることなど
できるはずもないにもかかわらず、教えようとしない。
高度成長期ならそれでもよかった。
企業の役に立つ大人を量産していればよかった。
しかし、すでに時代は変わっている。
あの頃と現在が変わったように、いや、それよりももっと大きな変化が
未来にはもたらされるのだ。
繰り返す。
私たちはこの国を子どもたちに託すことになる。
そして、それは現在よりもずっと困難な未来であるに違いないのだ。
子どもたちが心配だ。
この国の未来も心配だ。
すでに過去のものとなった教育を、
いつまでも続けている猶予など我々にはないのだ。
子どもたちは、未来を生きる。
だから未来を考えない教育なんてありえない。
教育の使命は、子どもたちに
未来を生き抜いていく力を与えることのはずだ。









