日記を習慣に、お父さんの失敗談を教材に

未来のリーダーに欠かせない
「折れない心」の作り方

 
 
トヨタ、JR東海など中部地方の有力企業が出資した海陽学園。
ここでは協賛企業のビジネスマンが、子供の生活指導を受け持っている。
彼らの試行錯誤から生まれたノウハウには、普通の家庭でも応用できる
生きた教訓が詰まっていた。
 
 
稲泉 蓮=文
 
 

ビジネスの第一線で
闘っていた男たちが
教育現場に飛びこんだ

 JR三河大塚駅から路線バスに乗って5分、三河湾に臨む埋立地の一角に、海陽学園の広々とした敷地はある。同校はトヨタ自 動車、JR東海、中部電力など中部地方の大企業が出資する全寮制の中高一貫男子校で、2005年の開校したばかり。1年間で280万円超という学費にもか かわらず、初年度には120人の枠に、延べ920人の応募者が集まった。

 そんな同校の大きな特徴の一つが、イギリスのパブリックスクール(イートン校など)をモデルとする、「ハウス」と名付けられた寮での共同生活だ。

 校内に一歩足を踏み入れると、小奇麗な校舎や体育館、大ホールのような食堂などが立ち並び(天体望遠鏡のドームまである)、その敷地の片隅に4階建ての寮が軒を連ねている。

「ハウス」の各建物には「ハウスマスター」と呼ばれる寮長がおり、さらに生徒が20人ずつに分かれて暮らす各階を「フロアマスター」が管理する。彼らに生 活面の指導・サポートを受けながら、現在2学年240人の生徒たちは卒業までの日々を過ごすことになるわけだ。そして興味深いのは、こうした「マスター」 たちが、企業から出向しているビジネスマンや元ビジネスマンであることだろう。

 フロアマスターの一人である川村明之さん(30歳)は東京海上日動からの出向で、これまでは保険の法人営業を担当していた。また、教諭・ハウスマスターの篠崎高雅さん(47歳)は破綻した日本長期信用銀行の出身で、在行中にアメリカでMBAを取得している人物だ。

 初めて学校教育の現場に立ったこの2年、彼らはどんなスタンスで生徒と接してきたのだろう。

 同校は建学理念に〈リーダーに必要な人格と学力を養成する〉とあるように、“リーダーシップ”という言葉を日常の中で前面に押し出している。彼らの話を 聞いていると、実際に「リーダーとして……」「リーダーに必要なものは……」という表現が枕ことばのように登場するのが印象的だ。(……続きは本誌をご覧ください)

 
 

おすすめコンテンツ