学長が読者に伝えたい贈り物の心

天体望遠鏡

 
 
小学生時代に熱中した遊び道具、読み重ねた本、新米パパ時代に手作りしたもの……。
たくさんの「子供」を育ててきた最高学府の学長が、とっておきの思いとプレゼントを手に持ち登場。
人生を豊かに歩んでいけるよう、子どもたちに伝えておきたいことがある。
 
 
津田塾大学学長
飯野正子 =文
●いいの・まさこ 1944年、大阪府生まれ。津田塾大学学芸学部英文学科卒。米シラキュース大学大学院歴史学科 修士課程修了。91年より津田塾大学教授。マギル大学、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員なども歴任。2004年11月より現職。著書の『日系カ ナダ人の歴史』(東京大学出版会)では、カナダ首相出版賞受賞。
 
 

ケータイ画面ばかり。
違う世界を見せたい。

 子供たちには、自分が普段見える範囲の外にあるものを知ってほしいと思います。世界は広く、いろいろな人がいて、思いもよらないことが起こっている。そういった驚きを発見してほしいのです。

 星が輝いているのは、はるか何光年も離れた世界。しかし、天体望遠鏡をのぞけば、ちゃんと見えます。「毎日の生活とは違う世界を見るきっかけ」というシンボリックな意味で、親が子供にあげたい物として、天体望遠鏡を選びました。

 私自身、今振り返ってみると、子供に「自分の範囲外」の世界を見せることができたと思う時期が、2回あります。  まず、教授として学生を教えていた頃、折々にゼミの学生たちを自宅に呼んでいたことです。まだ小学生だった娘にとって、大学生のお姉さんたちの言動の一つ一つが、新鮮だったようです。

 また、カナダの大学で1年間教えることになったときも、中学生の娘を一緒に連れて行きました。英語もわからない状態で現地の学校に入れるのが果たしていいことなのかと迷いましたが、思い切ってよかった。日本とはまったく違う文化を、肌で感じ取ったようです。

 毎日、携帯やパソコンの画面のように近いものばかり見ていると、まるでその世界だけがすべてだと思ってしまいます。今いる世界の中で、なるべく効率よく生きる方法、最短距離で行ける道を探してしまう。(……続きは本誌をご覧ください)

 
 
プレジデントファミリー 2008年1月号
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