ずっと昔から、日本人に愛されてきた。煮ても焼いてもおいしくて、お弁当にも大活躍。忙しい現代人が必要とする栄養分も豊富に含む。
鯖は、日々の食卓において魚の中でもとくに出番が多いものの一つだろう。その鯖、近年私たちが口にする多くがノルウェー産ということにお気づきだろうか。スーパーの魚売り場でも“ノルウェー産”の表示はすでにおなじみ。干物や味噌煮などの加工品にも広く使用されている。
安定した品質や漁獲量の豊富さなど理由はさまざまだが、水産会社や仲卸といった魚のプロたちは「何よりも素材として素直においしい」からだと主張する。実際に、国産とノルウェー産を並べたブラインド試食で約8割が後者を選んだ調査結果も報告されている。
古くから世界的に知られる漁業王国・ノルウェー。そこには冷たく澄んだ海と奥行きのあるフィヨルド、海水の塩分濃度を魚の生育に最適な状態に保つ豊富な雪解け水など、漁場として最高の条件が揃う。ここに棲息する鯖は良質な脂肪が豊富。その割合は、身全体の25~30%にも達するという。
さらに冬を目前に栄養を蓄える8月末~10月にもなると、脂が身の中に入り込む“霜降り状態”となり、複雑で豊かな旨味が生まれる。ちなみに生活習慣病予防に効果的なEPAや脳の働きを活発化させるDHAも、この脂肪の中にたっぷり含まれているのである。
日本に輸入されているのは、このトップシーズンに漁獲された鯖。生きたまま工場に運ばれ迅速に加工される最新の技術や、鮮度の保持にかけては世界有数と言われるノルウェー漁業の品質管理システムを経て私たちの食卓へと送られる。ノルウェー産の鯖は、日本の食卓に欠かせない身近な魚になった。
なかでも注目したいのが、このノルウェー産の鯖のフィレや切り身を塩加工した「ノルウェー塩さば」だ。安全で高品質、おいしくヘルシー。そんなもともとの素材のよさに加え、下ごしらえが不要な手軽さと絶妙な塩加減による調理のしやすさから、今や家庭のおいしさを支える定番食材になっているのである。
「魚料理で手間取るのは魚をおろしたり、塩加減など下ごしらえの部分。『ノルウェー塩さば』は、それがすべて済んだ状態で調理をスタートできるので、忙しい日々の調理にとても便利です。しかもおいしい。素材を生かして塩焼きなどシンプルな料理法で十分いけますが、簡単なアレンジを覚えれば、家庭料理の幅がぐっと豊かになると思います」
と話すのは、食材に対する深い理解をベースに魅力的な家庭料理を教えてくれる料理研究家、平野由希子さん。今回はそんな平野さんに「ノルウェー塩さば」を使ったシンプルかつ新しいアイデア料理を紹介してもらった。
まずは「ノルウェー塩さば」の身をスプーンでこそげ落とし、そぼろ煮にした“ノルウェー塩さばの生姜たっぷりそぼろ丼”。生姜と醤油と鯖の風味が溶け合った、日本人のDNAを刺激する、ご飯が何杯でも進みそうな一品だ。コクがあるのに味のキレがいい。鶏そぼろよりむしろクセのないおいしさにも驚く。
「魚料理は、香りがポイント。『ノルウェー塩さば』は鮮度がよく、また適切な下処理がしてあるので、魚臭さも気になりません。本当に使いやすいですよ」
続くもう一皿は、フライパンで焼いた「ノルウェー塩さば」をさっとパスタと和えた“ノルウェー塩さばのアーリオオーリオ”。ただのアーリオオーリオと違い、鯖の旨味をたっぷり吸ったスパゲッティが“目から鱗”の味わい。ちょっとしたおもてなし料理にも向きそうだ。
「ほかにもカレー風味やトマト味、香草類とも相性がよく、手軽で応用がきく魚。和、洋、エスニック……。鯖は世界中で昔から食べられてきただけに、多様な味と合う懐の深さをもっているんですね」
手軽にアレンジ、自由自在。と同時に私たちが古くから慣れ親しんだその味わいは、決して舌を裏切らない。さあ、日本の味とも深く関わる身近な魚、鯖の進化形とも言える「ノルウェー塩さば」を上手に使って、家庭の食卓の楽しみをもっと広げよう。


●材料(2人分)
| 「ノルウェー塩さば」フィレ | :1枚 |
| スパゲッティ | :160g |
| にんにく(みじん切り) | :1片 |
| 鷹の爪(半分に切って種を除く) | :2本 |
| オリーブ油 | :大さじ3 |
| イタリアンパセリ(みじん切り)、塩、胡椒 | :各適宜 |

●つくり方
[1]フライパンにオリーブ油小さじ1を熱し、「ノルウェー塩さば」の両面をこんがり焼く。一度取り出し、粗めにほぐす。
[2][1]のフライパンをきれいにし、残りのオリーブ油、にんにく、鷹の爪を加えて熱す。にんにくがうっすらと色づいたら、[1]を加えて軽く炒め合わせる。
[3][2]にゆで上がったスパゲッティとゆで汁適宜(分量外)を加え、さらにイタリアンパセリを加えて混ぜる。塩、胡椒で調味し、仕上げにオリーブ油(分量外)を一回しする。

●材料(つくりやすい分量)
| 「ノルウェー塩さば」フィレ | :2枚 |
| 生姜(みじん切り) | :1片 |
| 長ねぎ(みじん切り) | :1本 |
| 酒 | :大さじ3 |
| 醤油、味醂 | :各大さじ2 |
| 砂糖 | :大さじ1/2 |
| 白胡麻油(またはサラダ油) | :小さじ1 |
| ご飯 | :適宜 |

●つくり方
[1]「ノルウェー塩さば」は、身をスプーンでこそげ取る。
[2]鍋に白胡麻油、生姜を入れて炒め、香りが立ってきたら、[1]を加えて炒める。余分な油を拭き取り、酒をふり入れてさらに炒める。
[3][2]に醤油、味醂、砂糖、長ねぎを加えて水分がなくなるまで煮詰める。
[4]器にご飯を盛り、[3]をのせる。


塩加工されているから、調理が便利な「ノルウェー塩さば」。スーパーなどの店頭では、フィレ(写真左)や切り身(同右)で売られている。
●お問い合わせ/ノルウェー水産物輸出審議会(NSEC) http://www.seafoodfromnorway.jp/
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