スーパードライ「至上の一皿」23
東京・築地「喜楽鮨」

“白身”の真髄

 
 

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寿司至上の一皿23
寿司編
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畠山則男さん白身の真髄



“白身”は正直。ネタも仕事もすべて出る。

「喜楽鮨」の名物白身づくし

「喜楽鮨」の名物“白身づくし”。その時季、築地に入る最上の天然物の白身が8カン並ぶ。写真は前列左から、クエ、カレイ、オニカサゴ、コチ、後列左からホウボウ、オコゼ、アイナメ、肝をのせたカワハギ。

──最初に名物の“白身”のことを。旨い寿司店は当然、白身にこだわるものですが、「喜楽鮨」さんはとりわけ凄い。常時8〜10種類、それもすべて天然物の上物ばかり。何か特別な理由があるのでしょうか?
「先代からの伝統ですね。先代が初めて店を構えたのは昭和29年、とにかくネタに厳しい人で、『魚は鮮度だ』『正直なものは白身だ』と口癖のように言ってました。『正直』というのは、白身はごまかしが利かない、ネタや鮮度の良し悪しが一目瞭然という意味でね。店を開けた当初は、店先に生け簀を置いていたくらい。今でこそ河岸で海水を分けてもらえるけれど、当時はそうはいかないから、僕らが海まで海水を汲みに行かされるんだ(笑)。それも近場じゃ海が汚いからと、大磯の海までよく海水を汲みに行かされましたよ。
 それくらいの人だったから、うちが白身をはじめネタにうるさいのは河岸でも知られていて、お陰様で今もいい魚を探してくれる仲卸とは50年来の付き合いです」
──いい魚が入ったら、次は“いい仕事”ですか?
「そうそう。ただ、そこで大切なのがネタ・ケースでね。最近は、ケースの内側に細いパイプが回ってるヤツ、冷却ガスを使ってる店がずいぶん増えたでしょ。あれは魚にとっていいとは言えないね。うちのネタ・ケースは今も氷で冷やしてますよ。とにかく魚をおろしたら、マイナスでしっかり締めた氷にのせるのが鮮度を保つ一番の秘訣。それだけは昔も今も変わらないね」

塩もお薦め白身の握りには醤油はもちろんだが、塩もお薦め。白身に数粒ふって食べると、ネタの個性がより感じられる。「喜楽鮨」では常時フランス・ゲランド産のフルール・ド・セルを用意。一声かければ、すぐ出してくれる。

“個性”を楽しむのが寿司。
その寿司を生かすビールとは?

スーパードライと白身づくし

日本初の辛口・生ビール、スーパードライの誕生は1987年。開発に当たっては、「どんな料理にもよく合うビール」「何杯でも飲めるビール」を求めて、料理と合わせて味わう試飲が繰り返されたという。なかでも「刺身に合うビール」は、重要なキーワードだった。(→「スーパードライ開発ストーリー」はここから

──白身の魅力とは、どんなところにありますか? ご主人の目から見て。
「一つ一つ、違うことですかね。食感、味、香り……一口に白身と言ったって、魚によって全部違う。もっと言えば、同じタイにしたって獲れた海や季節によって風味が違う。その個性を味わってもらいたくて、白身の握りばかり8種類揃えた“白身づくし”を出しているんです。
 結局、これは白身に限った話じゃなくてね。うちはマグロも自信あるし、コハダにしてもサバにしてもアジにしても、ウニや貝、巻物もね。寿司というのは、ネタそれぞれの個性を味わってこそだと思うんですがね」
──ビールについてはどうですか? 一緒に飲むお酒も大切でしょ。
「そりゃ、もちろん。これは私の考えですがね、寿司屋の酒はそれだけで飲むものじゃない。寿司と一緒に味わうものです。だから、料理を生かす酒じゃなくちゃ。とくにうちの場合、白身というのは繊細だから、酒も濃すぎたり苦すぎたり、あまり出張ってもらっちゃよくないね。
 ビールはスーパードライがいいね。別にお世辞じゃなくて、スーパードライは繊細ですっきりしているから、ネタそれぞれの味がよくわかるし、後味がいいでしょ」
──実はスーパードライは、「料理に合うビール」という考え方をビールの世界に取り入れた先駆者で、「洗練されたクリアな味、辛口」「何杯飲んでも旨さが続く」という味わいは、そんなところから生まれてきたそうです。とくに刺身や寿司、なかでも「白身魚と合うビール」というのが開発当初からのキーワードだったと聞いています。
「あ、そう。初耳だけど、そりゃ、いいこと聞いた。白身の握りと一緒にスーパードライを飲むとよくわかるからね。寿司、とくに白身には一番合うビールだと思うね」
(「喜楽鮨」の“喜”は七を三つ三角形に配置した字)


SHOP DATA
喜楽鮨
喜楽鮨

●東京都中央区築地3-10-4
TEL.03-3541-0908
営業時間/11:30〜21:00(L.O.)
日曜・祝日休み
1階はカウンターと椅子席、
2階にはカウンター付きの個室と
座敷がある
カード/ほぼすべて可


昭和29年の創業以来、いいネタ、まじめな仕事を守り続ける築地の名店。名物の“白身づくし”は8カンで3150円。ほかにマグロはもちろん、貝、コハダや鰺などの光り物など、ネタは鮮度抜群で豊富。巻き物や自家製の玉子焼き、ゲソの炙りなどのつまみも数多く揃う。それでいて店名通り、肩肘張らず“喜楽”に楽しめるいい店である。



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