ジャン

発売25周年。こだわりを
一層深めた“焼肉屋秘伝の味”

 
 
モランボン
 
 
エ・ポイ = デザイン森谷則秋・三東サイ = 撮影
 
 
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 デビューは鮮烈だった。

 テレビから流れる胸に響くような「ジャン」というサウンドロゴ、肉にからめて焼けばそれまで家では味わえなかった深くまろやかなコク、複雑にブレンドされた香辛料が織りなす芳しき匂い……今から四半世紀前、家庭に本格的な味を伝え、焼肉の味を一変させた革命的な“たれ”がある。モランボンの焼肉のたれ「ジャン」だ。

 発売は1979年2月。「ジャンは生きている」というキャッチフレーズと米倉斉加年さんが出演した印象的なCMを覚えている人も多いだろう。

 その「ジャン」が25年を節目に製品をリニューアル、味も品質もぐんとグレードアップしたという。

 今回は、そんな“新生ジャン”の旨さに注目。焼肉ファンの心をくすぐる味の秘密に迫ってみた。

 取材を重ねると、そこには単なる“たれ”とは片づけられない数々のこだわりが見えてきたのだ。

始まりは“焼肉屋の本格の味”

「もともとモランボンは、韓国・朝鮮の本場の味を売りにした焼肉屋を経営していた会社なんです」とは、モランボンマーケティング開発担当課長前田和広さん。

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絶妙なブレンドが醸し出す深いコク、肉にからみつく芳しい旨味……「ジャン」は焼く直前に肉に味をつける“もみだれ”。あらかじめたれをもみ込むことで肉の旨味を引き出し、柔らかい食感を醸し出す。さらに火で焼くことによって芳しい香りのもとになる。これは本格的な焼肉屋と同じ食べ方である。

「そのたれの味が評判を呼び、家に持ち帰りたいというお客さんが多かった。その声に応え、多くの人に広く提供しようというのが発売のきっかけだったんです」

「ジャン」のすごさは、それまでの市販のたれの“常識”にあえて挑戦し、調味料の新しい基準を独自につくり上げた点である。

 普通“たれ”というと調味料売場に置かれるが、「ジャン」の場合は精肉売場。しかも要冷蔵で販売されている。これは「ジャン」が非加熱・無添加の「生パック」だからこそのこと。一般の焼肉たれは保存をよくするため熱を加えるが、「ジャン」はつくりたての風味を生かすため加熱はしない。まさにつくりたての新鮮な“生の味”のままパック詰めしているのだ。

 また風味のよさと体への安心を考え、化学調味料や保存料といった余計なものは一切使用していない。これは当時画期的なことであり、「生パック」自体、業界唯一。今日の“本格・本物志向”を先取りした品だったのである。

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“焼肉屋秘伝の味”にこだわる「ジャン」は加熱処理を行なわず、原料の豊かな風味を生かした「生パック」製法。製造から店頭までチルド管理する。これは業界でも唯一だ。

「当初は賞味期限ならぬ“風味保証期間”と称して1週間の期限を設けていました。店頭に並ぶ期間も非常に短く、通常の調味料棚には置けないなどと苦労した点も実に多かったんです。

 しかしそれまでも調理師専門学校を開設するなど韓国・朝鮮の食文化を紹介してきたモランボンには“この商品は採算ではない”“本当の焼肉文化を日本に広く伝えるんだ”という使命感にも似た自負がありました。それこそが『ジャン』をつくる原動力だったんです。

 従来の“つけだれ”ではなく、焼肉屋と同じように肉の旨さを引き出す“もみだれ”にしたのもそのため。精肉売場で販売を行なったのも肉とたれをセットで買っていただくことで焼肉の普及を図る、という狙いがありました。

 従来の売りやすさにのっとるのではなく、いかに本物の味を知ってもらうか。“焼肉屋秘伝の味”を伝えるというコンセプトは今も変わっていません」

醤油、にんにく、リンゴ……
徹底した素材へのこだわり

「25年という大きな節目に当たり考えたのは、どうすればこの『ジャン』の姿勢を若い世代にも伝えられるかということ。そこで再度、基本に立ち返ろうと思ったんです。

 見えてきたのは“本格の味”“安心・安全”という『ジャン』の基本理念。これを品質の向上などを通じて明確にしていこう、というのが出発点でした」とはマーケティング開発担当で今回のリニューアルを担当した吉村千恵さん。

 吉村さんたちが見直したのは、原料となる“素材”だ。ベースとなる醤油は昔ながらの醸造法でつくられる本醸造醤油を使用。その原料にまで気を配り、非遺伝子組み換えの大豆のみを使うというこだわりぶりだ。

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新生「ジャン」は原材料に徹底してこだわった。特注の醤油、本みりん、南部杜氏仕込みの清酒……風味の決め手になるにんにく・リンゴは青森産、生姜は高知産、ねぎは北海道産と産地指定している。

 酒は南部杜氏仕込みの特注品、唐辛子は甘味と風味をたたえた益都唐辛子を使用。また、香味のポイントとなる野菜も産地指定に切り替えた。辛味の中にも甘味のある青森産のにんにく、風味が強い高知産の生姜、みずみずしい北海道産のねぎ……。深い風味の中にまろやかな甘味を醸すのは青森産のリンゴに本みりん、上白糖。そして上質の胡麻油に胡椒などの香味が程よくブレンドされている。もちろん化学調味料などの旨味は加えず素材の旨味だけ、まさに天然素材100%なのである。

「安心・安全は今の時代のニーズでもあります。今回は子供でも安心して焼肉を食べられるよう『ジャン』のナチュラル感をはっきりと打ち出しました」

 難しかったのは味のバランスだったと吉村さんは言う。たとえば醤油一つ変えただけでも全体の味は変わってしまう。しかし「ジャン」には古くから支持しているファンが大勢いる。その人々を裏切らないよう、今までの味を守りながらどうやって品質を高めていくか、これに苦心したという。

「たれの味見はもちろんのこと、実際にたれを肉にもんで焼いて食べてみる食味テストを幾度となく繰り返しました。そして構想から約2年。やっとリニューアルにこぎつけたんです」

新鮮さと安全管理を追求した「ジャン工房」

 新しくなったのは素材だけではない。モランボンでは生産体制を確立し、より安全性を高めるために昨年1月、神奈川県相模原市の工場に「ジャン」専用の生産ライン「ジャン工房」を設置した。

 中に入ると、ひんやりした空気の中に胡麻油や生姜などの匂いがかすかに漂う。ここでは十数人のスタッフが文字通り“工房”のようなラインで「ジャン」を配合・パック詰めしているのだ。


「ジャン」は薬念の文化に
根ざした本格派の味

韓国・朝鮮の食文化を紹介し続けているジョン・キョンファさん。伝統の良さを守りながら現代的な料理提案が人気を呼んでいる。
ジョン・キョンファさん
朝鮮料理家

「肉文化の発達した朝鮮半島には“薬念 ”つまりいろいろな薬味香辛料を混ぜてつくる優れたたれの文化があります」とはジョン・キョンファさん。「原料にこだわり、本場の味を追求する『ジャン』にも、そうした“薬念”の伝統が深く息づいていると思います。しかも配合も微妙で、家庭では真似できない味を醸し出している。本格的な味は焼肉はもちろん、調味料感覚で普段の料理に使ってもいいでしょう。炒め物やチゲにもいいですし、焼きそばや炒飯にもおいしい。醤油を足して豆腐にかければ韓国風冷や奴になりますし、酢やレモン汁を加えればサラダに合うドレッシングになります」
 と、キョンファさんが紹介してくれたのは「春野菜のサム」。「サム」は“包む”の意。その名の通りご飯や焼肉の上にピリ辛味のサムジャンをのせ、キャベツ、

「春野菜のサム」。旬の野菜でご飯とサムジャン(コチュジャンと味噌やにんにく、醤油などを混ぜた包みだれ)、「ジャン」で焼いた焼肉を包む。春の息吹を感じるようなヘルシーな味わい。
えごま、ふきなどの野菜の葉で包んで食べる料理だ。「焼肉というと重いイメージがありますが、朝鮮半島では肉の何倍も野菜を一緒にとることでバランスをとっているんです。『ジャン』はちょっとの工夫でヘルシーな料理にも使える万能調味料。冷蔵庫に常備していろいろ活用してほしいですね」

 その日の生産量が書かれた表を見ると、なんと1桁単位で生産量が記入されていた。驚いたことに「ジャン」はこの時代にあってすべて受注生産という。

「ジャン工房」担当主任・木村哲輝さんは言う。

「『ジャン』は秘伝の配合と“生”の風味が命。だから調合から出荷まで一貫した体制をとっています」

「ジャン」は風味を調和させるため、低温クリーンルームで熟れさせた後にパック詰めされる。8度に保たれた低温保管庫に集められたら、冷蔵車ですぐに出荷。早ければその日のうち、遅くとも翌日には店頭に並ぶようになっている。まさに“鮮度との戦い”だ。

「加熱してない分、温度や衛生管理には非常に手間がかかります。しかし、手間は味には替えられません。工房はその味と鮮度を保つための独自ラインなんです」

 振り返ればこの25年間、どれだけの食品が生まれては消えていったことだろう。しかしつくり手の信念が込められたものには時代を超えても愛され続ける輝きと芯の強さがある。「ジャン」の奥深き味はまさにそんな“信念”にも似た、本物を届けようとするつくり手一人一人の情熱が支えているのだと思った。

 深い褐色をたたえた輝く液体──その味の奥には時を経ても変わらぬ、食文化を伝えていく熱き思いが込められている。


“焼肉屋のこだわりの味”を
わが家で気軽に楽しもう。
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パッケージもリニューアルし、ますますおいしさを深めた「生パックジャン」。左から80g、240g、480g、600g。家族で、あるいは仲間で肉を囲みながら“焼肉屋秘伝の味”を堪能したい。

●お問い合わせ/
モランボン株式会社・お客様相談室
TEL:042-360-3986
http://www.moranbong.co.jp/
 
 
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