フカヒレ

丁寧な加工と品質管理で、
多くのプロから愛される美味

 
 
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日本橋「古樹軒」
 
 
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 フカヒレは、数ある食材の中でも異彩を放つ特別な存在なのだと思う。

 中国では燕の巣や干し鮑と肩を並べる高級食材として認知され、フカヒレの出ない宴席は“格が低い”とまで言われてしまうほどの存在だ。日本でも、フカヒレは誰もが認める“究極の美味”。食いしん坊なら、一度は思う存分食べてみたいと考える憧れの食材である。

 中国の医食同源の文化の中で発展し、皇帝もこよなく愛した食材フカヒレ――。しかし、ここが重要なのだが、このフカヒレの“質”にかけては実は日本が世界を大きくリードしているという。

 なぜ、日本のフカヒレは高い評価を受けるのだろうか。そして、日本が誇るフカヒレの質を支える秘密とは?

 その理由とこだわりを取材した。

日本発、世界に誇るフカヒレづくり

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フカヒレの天日干しは、11月〜5月初旬にかけて行なわれる。干し場の面積は1200坪。一度に2万枚ものフカヒレが並べられる。

 宮城県気仙沼。日本有数の漁港として栄え、マグロの遠洋漁業基地としても知られるこの街に、日本最大のフカヒレメーカー「中華・高橋」のフカヒレ工場はある。

 同社が、ここに工場を設置したのは今から10年前のこと。理由は、良質な原料が入手できる産地において、高品質のフカヒレを生産することだった。

「気仙沼は、全国の鮫の8割が水揚げされる漁港です。以前は蒲鉾やはんぺんなどに利用されてきた鮫ですが、昭和40年代に入るとフカヒレ加工が始まり、急速にフカヒレの街として発展を遂げました。

 フカヒレは原料はもちろんのこと、その後の加工が品質を大きく左右する食材です。当時、世界に出回るフカヒレはまだまだ粗悪品が多いと言われていましたが、そんな中、フカヒレの産地・気仙沼にこだわって世界に誇る品質のフカヒレをつくりたかった」と説明するのは、中華・高橋グループの高橋滉社長だ。

 フカヒレは、原料の加工から完成までに膨大な手間と時間がかかる食材である。たとえば「原ビレ」と呼ばれる皮付きの乾燥ヒレは、血抜き後の天日干しで4週間、成形のプレス作業で4〜5日、それから吊し干しの乾燥作業で再び4週間。つまり、2カ月以上の時間が必要だ。また、何万枚とあるヒレは毎日手作業で裏返し、雨が降ったら覆いをかけたり取り込んだりしなければならない。

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気仙沼にある中華・高橋のフカヒレ工場。HACCP対応の近代的な環境が整備され、日本最大の生産規模をもっている。ここで生産される商品は約1000アイテム。この商品群の多様さでも、同社は群を抜いている。

 そのどれ一つの手間を省いても、良質な製品は完成しない。当然のようにも思えるが、この当然を真っ当にこなすことこそ同社の高い評価の理由なのである。

 しかも、中華・高橋のフカヒレづくりの決定的な革新は、その後の加工技術にあった。フカヒレは加工だけでなく、調理にも膨大な手間を要する食材だ。乾燥されたヒレを戻すのに最低でも3日、その後、皮や骨、不要な肉を一つ一つ手作業で取り除き、脱臭作業も同時にしなければならないからだ。

 以前はプロの厨房で行なわれていたこうした作業を、中華・高橋は内製化。工場内に専用のラインを設け、さまざまなニーズに応じた製品を加工している。工場はHACCP対応の最新施設。加工はクリーンルーム内で行なわれ、細菌検査や安全管理の体制も万全だ。

 ちなみに、同社のフカヒレを使用する料理店は全国で約2000店。ホテルなどの大型店にはほぼ全店に製品が納入されている。それはこうしたトータルな製品力が高く評価されている証でもある。

“医食同源”の美味を食卓へ

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「いいフカヒレは、戻したときに一目でわかる」と脇屋さん。多彩な手法で素材の魅力を引き出していくその中国料理は、多くのファンを惹きつけている。

 では、プロはその魅力をどう捉えているだろうか。同社のフカヒレを早くから使用する「Wakiya一笑美茶樓」総料理長、脇屋友詞さんに聞いてみた。

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「フカヒレの姿煮」は、「Wakiya一笑美茶樓」でも人気の高いメニューの一つ。丁寧に調理され、スープの旨味をたっぷり吸ったフカヒレは香りが高く、とろけるような美味である。土鍋で炊いたご飯を添えて供するのが同店のスタイル。

「フカヒレは、中国料理にとって一番の原点ともいうべき素材です。というのも、いろんな料理に使えるという汎用性だけでなく、フカヒレはその店のすべてが出てしまう素材だからです。

 戻し方一つを見てもそうですし、スープのとり方、調理の考え、素材に対する取り組みなどもわかってしまう。もちろん、フカヒレ選びにも決して手は抜けません」

 脇屋さんに言わせれば、いいフカヒレの条件は素材そのもの。良質な原料を使用して、手間暇かけて加工されたフカヒレは、戻したときに力の違いが歴然に出るそうだ。同店では一日に平均80枚ものフカヒレを使用しているが、そのすべてが原ビレで、1週間の時間をかけて厨房で戻されたもの。それは丁寧な仕事こそ、同店のフカヒレ料理にふさわしいと考えているからだ。

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東京・日本橋にある「古樹軒」は、中華・高橋グループの直営店。自慢のフカヒレはもちろんのこと、中国茶や、中華食材、調味料、香辛料など、業務店でも使用されているこだわりの食材が揃う。
●東京都中央区日本橋箱崎町39-4 TEL.03-3639-0032
営業時間/10時30分〜18時 日祝休み

 もちろん、原ビレ以外の製品に対する市場の評価も高い。最近は中国料理店だけでなく、ラーメン店や、和食店、イタリアンやフレンチのレストランでもフカヒレは人気だが、それは同社の加工技術によってフカヒレがより手軽に使えるようになったから。茶碗蒸しや、あんかけ、煮こごり、リゾット、握り寿司など、用途は急速に広がりを見せている。

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フカヒレの品揃えは多彩。用途に合わせて、さまざまな種類が用意されている。また、家庭で手軽に使える調理済み商品や、ラーメン、点心類も充実している。

 そして、同社の加工技術は家庭にも変革をもたらした。レトルトパックや冷凍品の登場で、フカヒレはプロだけでなく、誰もが家庭で利用できる食材になったからである。そうした製品を扱うために、同社が東京に2年前にオープンさせた直営店が日本橋「古樹軒」だ。

 古樹軒の品揃えは約900種。中国茶、中華食材、調味料、点心などが所狭しと並べられているのだが、主役はもちろんフカヒレ。しかも、プロが使用する業務用のフカヒレだけでなく、スープで煮込んだ調理済みのフカヒレや、フカヒレラーメン、フカヒレ餃子、点心類も充実し、温めるだけでフカヒレの本格的な味わいが楽しめるようになっている。

「フカヒレはヘルシーで、おいしい食材。食の健康志向が高まりを見せる中、これからは店だけでなく家庭にもぜひ広めたい」とは、前出の高橋社長。誰もが一度は憧れながらも“雲上の食材”であり続けたフカヒレ。その美味を、気軽に堪能できる時代はもう現実になっている。

フカヒレの美味を手軽に楽しむ
「家庭用商品」も充実
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古樹軒では、家庭のニーズに応えるさまざまな商品を販売している。写真は、あんかけやラーメンの具などにもそのまま使える「紅焼ふかひれ」。商品は店頭のほか、下記インターネットからも購入できる。

●お問い合わせ/株式会社古樹軒
TEL:03-3639-0032 FAX:03-3639-0035
http://www.hukahire.co.jp/kojuken/
 
 
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