男の「料理ベタ」脱出大作戦 第2回

思いどおりにつくれない、なぜか上達しない。
そんな仲間が立ち上がった!

いきなり「dancyuレシピ」に挑戦

 
 
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いきなり実践に挑戦することになり、慌ててdancyuのレシピを読み始めるメンバー。お題を出した北吉隊長も熟読し始める。
今月のテーマ:

 前回、料理ベタであることを告白し、料理上達を
 目指そうと誓い合ったメンバーたち。
 しかし、皆の告白を聞いた北吉隊長は一抹の不安を
 抱き始めていた。
 「メンバー間の"料理ベタ度"に
 差があるのではないだろうか……」
 そこで、急遽dancyuに掲載されたレシピを見ながら
 料理をつくってもらうことに。
 テーマは、つくりたい人が多いけれど
 難易度が高いといわれる"餃子"。
 いきなりの挑戦で本当につくれるのか!?
 どこまで料理ベタが暴露されるのか!?
 
 
北吉洋一  = 構成浜村多恵 = 撮影
 
 

 さて、われら「料理ベタ脱出隊」(略して「ベタ脱隊」)は前回、自分がいかに料理を愛し、かつ料理ベタであるかを告白したわけであるが、今回はdancyuレシピを見ながら実際に料理をつくってもらうことにした。つくるのは水餃子だ。

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野菜を刻んで餡づくり開始。「粗みじんに切る」とレシピにあるが、「このくらいでいいのかなあ」とやや不安げ。

 難易度の高い餃子づくりで隊員の実力差が明らかになるであろう。今回は、竹田、民井、植野の各隊員が参加。

 下ごしらえはベタ脱隊隊長の私、北吉が担当、隊員諸氏には皮づくりと、具の包みをやってもらおう。なんて高飛車に出たけれど、不肖北吉、レシピを見ながら料理をつくるなんてしばらくやっていない。プレッシャーがかかります。

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湯煎って? 小口切りとは?
料理ベタの実態が徐々に判明

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野菜と肉を混ぜ餡をつくる。「背脂を湯煎にして溶かし加える」とあったが、湯煎にしてもなかなか溶けない。「レシピに簡単に書いてあることが難しいんだよね」。

 まず戸惑ったのは粉をふるうという作業だ。自慢ではないが、小麦粉料理は何度もつくってきたが、粉なんぞ一度もふるったことはない。案の定、粉を受けるボウルが小さすぎ、作業台を粉だらけにして顰蹙を買う。

 具の野菜を刻むのは得意だ。野菜を刻みながら、試しに隊員の実力を探る。

「豚の背油を“湯煎”にしておいて」

「湯煎って何?」と民井隊員。ほら、もう馬脚が現れた。湯煎というのは、お湯の中に小さな鍋を入れて、間接的に加熱することなのだよ。

「誰か長ねぎをみじんに切ってみて」

 はいはい、と長ねぎを刻む竹田隊員だが、よく見ると長ねぎは小口切り(輪切りのように断面に平行に切る切り方)。

「それじゃ、みじんじゃなくて小口切りじゃないですか!」

「えっ、小口切りなんて切り方、俺、生まれて初めて聞いたよ」

 口だけではわからなかった隊員の料理ベタの度合いが明らかになってくる。

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いよいよ皮づくり。まずは隊長が手本を示す。

 いよいよ皮づくり。私は過去に何回か餃子の皮づくりを体験しているので、何とか丸く仕上がるが、他の隊員は悪戦苦闘、なかなか丸くのびてくれない様子。

「餃子の皮は市販のものを買えばいい」

 などという自棄気味な発言も飛び出す。

 包みもまた苦心惨憺。皆さん、どうしても具をたくさん包みたがる。それで皮から具がはみ出てしまう。餃子というより葉巻煙草のようなものもある。

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「麺棒を手前から中央に転がすように」とあるが、そうやってもなぜか縁にしわができてしまう。

 ふーむ、思いのほかベタ脱隊員の実力差はありそうだ。隊長の冷酷な目で見ると、程度の違いこそあれ、皆手つきが心許ない。しかし、すでに餡の下ごしらえの最中にザルの針金で指を切っている私は強く言えない。情けない。

「でもさ、いきなり餃子の皮っていうのは高度すぎないかなあ」

 餃子を頬張りつつ、民井隊員が言う。

「そう、もっとダイナミックな男の料理なら実力が発揮できるんだけれど」

 と竹田隊員も。

 よし、それなら両隊員に豚カツをつくっていただこうじゃないの。実は隊長自身、最近豚カツがうまく揚げられなくて悩んでいる。結構難しいんだから。

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つくった皮を見せ合う隊員。苦労の挙げ句「皮は市販のものを使えばいい」という声も。
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餡をたくさん入れてしまうため皮を留めるのにもひと苦労。
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バゲットをチーズおろしで削り始める竹田隊員。レシピには「軽く焼いて乾燥させてから」とあったのだが……。

 dancyuレシピは大量の油で揚げるのではなく、フライパンで焼きつけ、さらにチーズをのせてオーブンで焼くタイプだ。

「よし、肉の扱いならまかしとけ」と竹田隊員。民井隊員も鼻息荒く、「揚げ物は得意なんだよね」。

 さっそく両隊員、レシピの熟読から作業を開始。肉の切り分け、パン粉製作を竹田隊員が、豚カツの焼き揚げ、仕上げを民井隊員が担当と決まった。

 ところが、「なぜ、こんなにパン粉をつくるのに力が必要なんだ」。おろし器でツメまで削りつつ、竹田隊員がぼやく。実はパンを粉におろす前に軽く焼いて乾燥させなくてはいけなかったのだが、それを忘れていたのである。

「えーと、パン粉をつける前に粉が先だっけ、卵が先だっけ。どっちだ!?」

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レシピを漠然としか見ない人、
レシピにこだわりすぎる人

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パン粉完成。かなりバラつきがあったが、これが結果的にはクリスピーな食感に。ケガの功名。

 かように竹田隊員はレシピのうわっつらだけを読んで、わかったような気になる癖がある。これって料理初心者にありがちなこと。レシピはただ漠然と読むのではなく、実際の作業をイメージしながら読み込まなくてはいけない。

 一方、民井隊員は逆にレシピにとらわれすぎるタイプ。豚カツを焼き揚げるタイミングは「串を刺して見る」とレシピにあると、何度も何度も竹串を刺して熱の通り加減を確認。

豚カツは穴だらけになってしまった。このタイプはまだだ、まだだ、なんていっているうちに結局焦がしてしまうことが多い。自信がないから融通が利かないんだよね。

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竹串をグサグサ刺しただけでは不安な民井隊員、何度も持ち上げて焼き加減を確認する。火の通り方や焼き揚げげのタイミングが最も難しいようだ。

 なんて意地悪く見ていたら、この二人、相当に危なっかしかったけれど、最終的には、少なくとも見た目はレシピどおりの豚カツをつくり上げてしまった。

「見た目だけじゃない、味の方もちゃんと美味しく仕上がっています」

 さっそく食べてみた植野隊員が太鼓判を押す。これはビギナーズラックか。時々、ぽろっと美味しい料理がつくれちゃうのも男の料理の楽しさだ。

 しかし、いきなり本格料理の実践から入るのは、ベタ脱隊にとっては勇み足か。やはり基本からじっくりやっていこう。隊員たちが自分の実力を自覚しておくことも必要だろう。次回は、“ひと手間料理”で隊員の実力をシビアに評価する。乞うご期待。

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ビギナーズラックか!? 出来上がった豚カツは偶然にも絶妙に火が通り、バラつきのあるパン粉がクリスピーな食感に。上出来。
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今月のぼやき:
基本の料理で身の程を知ろう!

 やっぱりみんな基礎ができていない。隊員の実力差も大きい。もっと基本的なところから始めよう。次回は“ひと手間料理”で実力診断だ。さらに、宿題。100円で売っている缶詰にひと手間を加えた料理を考えてくること。これらで隊員の実力がハッキリするはず(隊長)。

"水餃子"のつくり方 (2001年5月号掲載)
● 皮の材料(40個分)  
  強力粉180g、薄力粉20g、水100cc(小麦粉の50%弱)、塩小さじ1(小麦粉の2%強)、片栗粉(打ち粉用)適量。
   
●皮のつくり方  
[1] ふるった小麦粉をボウルに入れ、塩水を少しずつ加える。粉と水をなじませるように混ぜ合わせ一つにまとめる。
[2] 台の上に移し力強くこねる。まとまったらラップで覆って5分ほど置く。両端を交差させつつ再びこねる。ラップで覆って15〜20分間室温でねかせる。
[3] 長くのばして両端を交差させ、生地が均一になるように練る。丸くまとめてラップをかけ数時間から12時間室温でねかせる。
[4] 生地を4分割し、直径1.5cm程度に細長くのばし、均等に10個にちぎる。親指で押しつぶしてから麺棒で均一に丸くのばす。
   
● 餡の材料(40個分)  
  豚肉(肩ロース)100g、豚背脂10g、白菜150g、キャベツ150g、にら4〜5本、ねぎ1/2本、生姜(皮ごとすりおろす)20g、塩小さじ1、醤油大さじ1/2、胡麻油小さじ1/2、胡椒少々。
   
● 餡のつくり方  
[1] 豚肉を刻み、湯煎して溶かした背脂、生姜、胡麻油、調味料を混ぜ、練り合わせる。
[2] 粗くみじん切りした野菜を混ぜる。キャベツと白菜は塩をふって重しをし、10分ほど置いてからよく絞っておく。
   
● 水餃子のゆで方  
[1] あんを皮で包み、たっぷりの熱湯でゆでる。浮き上がったらすぐすくって冷水に放す。
[2] 再び熱湯でゆで、浮き上がったら冷水へ。水の中に沈まなくなったら取り出して最後にもう一度熱湯でゆで上げる。
"豚カツ"のつくり方 (2000年11月号掲載)
● 材料(4人分)  
  豚ロース1kg、塩・胡椒各少々、強力粉適宜、卵2個、パン粉(バゲット1本分)、グリュイエールチーズ100g、エメンタールチーズ100g、豚肉の脂身・太白胡麻油・中濃ソース・胡麻各適宜。
   
● つくり方  
[1] 豚肉を一人分250g見当に分厚くカット。
[2] バゲットをすりおろしてパン粉をつくる。
[3] 肉に塩、胡椒をふり、強力粉をまぶし、溶き卵をくぐらせた後、パン粉をつける。
[4] 豚の脂身をフライパンで加熱し、にじみ出た脂を濾す。これに太白胡麻油を脂の半量加えて熱し、肉を入れる。
[5] 串を刺して透明な肉汁が出たら取り出し、ペーパータオルなどで表面の油を吸い取る。
[6] 刻んだチーズをのせて120℃のオーブントースターで数分加熱する。
[7] 煎った胡麻をすって中濃ソースを加える。これを豚カツにかける。
   
  ※実際のレシピでは肉をもろみに漬け込んでおくが、今回のクッキングでは省略した。
 
 

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